「VR(仮想現実)元年」と呼ばれた
2016年から2年。
VRを個人で楽しめる機器が増え、体験施設も
普及し始めている。
大きな可能性を持つといわれるVR技術は、
われわれの生活をどう変えていくのか。
利用シーンや機器の種類、体験施設の
活用方法など、“VRを使いこなすヒント„。
仮想現実が開く扉
「VR」といってもピンとこないが、
正式名称の
「バーチャルリアリティー」(仮想現実)と
聞くと分かる人も多いだろう。
コンピューターなどによって人工的な
環境を創り出すのが仮想現実だ。
ちなみに、「AR」は、スマートフォン向け
ゲーム「ポケモンGO」で有名になった
拡張現実のこと。
「MR」は、現実世界と仮想世界を融合する
複合現実を意味する。
VR技術は、さまざまなシーンで
応用されているが、先行するのは
エンターテインメントの分野だ。
「プレイステーションVR」などの登場で、
VRのゲームが気軽に楽しめるようになった。
また、臨場感のある3D映画が、娯楽の
一部になりつつある。
VRといっても、1990年代にもブームが
ありました。
ただ、当時と現在とでは技術に格段の
差があり、90年代のVRを「第一世代」、
現在のものを「第二世代」として立て
分ける専門家もいる。
近年のVRは臨場感に優れ、不動産、広告、
旅行など幅広い分野で活用が広がっている
のが特徴。
医療界では、手術の予行練習に応用され、
教育界では、学習の新しい扉を開くと
期待されている。
実生活に取り入れてみる
VRに欠かせないのが、ヘッドセットと
呼ばれる装置だ。
ゴーグルのように頭に着ける。
その品質の良しあしによって、「没入感」
という、映像や音の世界に浸れる感覚が
変わってくる。
1万円程度までのローエンド製品は、
対応のスマートフォンをセットして使用
するのが主流。
例えば、「デイドリーム・ビュー」は、
専用のヘッドセットを購入し、
スマートフォンを挿入。
専用アプリなどを使って、動画や
ゲームを楽しむ。
一方、「VIVE」等、5万円以上の
ハイエンドのものは、圧倒的な没入感を
得ることができるが、PCとの接続が
必要になる。
人気が高いのが2~4万円台の中価格帯のもの。
「プレイステーションVR」に加え、一体型
ヘッドセットでスマートフォンやPCを必要と
しない「オキュラス・ゴー」は、手軽で
質の高いVRを体験できると話題を呼ぶ。
予算や用途に合わせて判断しよう。
体験施設に行ってみよう!
◆ VR PARK TOKYO http://www.adores.jp/vrpark/
施設は時間入れ替え制となっており、
ホームページで事前に空いている時間帯を
予約してから現地へ行く。
入場料を払えば、110分の時間の中で、
約10種類あるアトラクションが
乗り放題。
予約すれば満席時でも確実に入場できる。
客層は、学生や若者が多く、家族連れや
外国人の姿も。
魔法のカーペットに乗って遺跡を目指す
「ソロモン・カーペット」が一番人気の
アトラクションだそうだ。
* アドベンチャー
冒険のスリルを味わうアドベンチャー系の
アトラクションは、VRとの親和性が高い。
「VR PARK TOKYO」も、
アドベンチャー系のものが充実。
バンジージャンプのスリルを体験する
「ジャングルバンジー」や、トロッコに
乗りながら遺跡探検を行う
「ゴールドラッシュ」など、日常では
経験できないことを仮想現実空間で味わえる。
アトラクションは想像以上の臨場感で、
立体的な映像入力連動して動く迫力には
驚いてしまった。
一人でも楽しめるが、仲間と一緒に
参加することで、体験を共有できるのも
大きな魅力だ。
* エクササイズ
“高所体験„が楽しめるものや、
フィットネス・ジムのようなエクササイズを
楽しみながらVRを体験するアトラクションも
人気です。
「イカロス」は、自分の体重移動で、
VR空間を飛び回るもの。
腕や足の筋力を相当使う。
なお、激しい動きのVRアトラクションは、
車酔いのような、“VR酔い„を引き起こす
ことがある。
時間制限の中で、目いっぱい楽しむには、
最初は緩やかなアトラクションからまわり、
激しいものを後にするのも手。
休憩を挟みながら挑戦するなど、工夫も
必要だろう。
* シミュレーション
現実では走れない“高速世界„のドライブ
シミュレーターも臨場感たっぷり。
「T3Rシミュレーター」は、レーシングカーの
挙動を体感できる。
クラッシュ時の衝撃やスピード感が忠実に
再現され、迫力満点だ。
◇ VR PARK TOKYO 渋谷
http://www.adores.jp/vrpark/shibuya.html
◇ VR PARK TOKYO 札幌
http://www.adores.jp/vrpark/sapporo.html