子どもが思春期に入り、
最近、コミュニケーションが減ってきたなと
感じたら、まず興味を持ちそうな絵本を
渡してみては。
絵本は幼児向けだけでなく、思春期脳
子ども向けのものもたくさんあります。
多感な思春期の子にオススメ
◆ 短時間で心に残る
*13歳からの絵本ガイドYAのための
100冊に面白い絵本が紹介されている。
子どものためのブックガイドはたくさん
あります。
ただ、それらは基本的に親向けに書かれた
もので、親が幼少期の子どもに読ませたい
本の案内、というもの。
本書は思春期の子や若者向けに、絵本の
面白さが分かるように紹介しています。
絵本には優れた点がたくさんあります。
文字だけの本と比べると、絵が基本なので、
興味を持ちやすく理解しやすい。
とても印象的です。
それに一冊読み切るのに時間がかからず、
短時間でいろいろなことを学べます。
*絵本にもさまざまな種類があります。
アートのような本もあれば、意味が
わからないけれども気になるナンセンスな本、
専門知識を分かりやすく得られる本、友達と
一緒に遊べる本などさまざまです。
例えば『地球のかたちを哲学する』は、
地球の形を過去から現在までいろいろな
人たちが、どのように考えていたのかを
紹介しています。
楕円形のように考えていたり、地球の中は
空洞だという説もあったり。
大地はどんなふうに、空はどのように
なっていたのか。
過去に人がどう考えていたかを知ることで、
あなたにとってこれまでにない新鮮な
発想に出合えるでしょう。
『うるわしのグリセルダひめ』は、
美しいお姫さまがいて、男性は見ただけで
その美しさに見とれ、「首」だけに
なってしまう、という物語。
風変りの設定ですが、読み進めるうちに
人生や愛について考えさせられます。
『東京まちがいさがし』は、パズル絵本。
東京駅、浅草、羽田空港などの詳細な
イラストの中から、間違いを探します。
大人も知らない豆知識も満載され、
自分で遊ぶことはもちろん、親子で
遊ぶのにも最適。
子ども向けですが、幅広い世代で
楽しめるでしょう。
ビジュアルに敏感
*絵本は「発見」「感動」「笑い」が
あるプレゼントとして、子どもに
贈るのにも最適。
一度、図書館や本屋さんで手にとって、
面白い絵本を探してみてください。
今は図書館も充実して、いい本を読んで
もらおうと努力しています。
新刊もそれほど時間差がなく借りられます。
借りてみて、子どもが興味を持つよう
だったら、実際に買ってみるのも
いいでしょう。
遊び道具にもなるし、家族の思い出に
もなります。
*昔と比べて今の子どもは本を
読まなくなったといわれます。
そのことは読解力や文章力の低下と
結びつけられ、マイナス面として話を
されがちです。
ただ、今の若い人はビジュアルや音楽に
対してとても敏感になっている
ということです。
文章を上手に書けなくても、絵がうまい子、
歌が上手な子が増えたと感じます。
つまり、活字を読む時間を削る分、
スマートフォンなどの機器を通して、多くの
ビジュアルや音楽に触れ、そうした感性を
伸ばしているのでしょう。
そこから新しいコミュニケーションが
生まれているような感じがします。
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人生を楽しむツール
*若い人の“耳と目”の
感度がよくなっていると?
あと10、20年たったら彼らの時代。
世界は今以上に、ビジュアル的なものに
重きが置かれるようになっていくと
思います。
だから読解力が落ちるから本を読まないと
いけないなどと言い続けるだけでなく、
現状を認識した上で、彼らに合わせたものを
与えるべきではないでしょうか。
活字を読む力だけでなく、絵や動画を
見る力も必要な時代です。
*ビジュアルから理解できる絵本は
その意味でも子どもたちに有益。
読書は勉強になるという視点よりも、
まずは自分の時間を楽しく過ごすための
ツールと捉えてほしい。
多感な子ども時代は興味・関心がどんどん
広がります。
その時期に何か1つでも面白いもの、
好きなものと出会えたら、自分の世界は
さらに広がり、深まるでしょう。
一つ増えるだけで人生はがぜん面白くなる。
それは本以外でも構いません。
映画や音楽、芸術、スポーツなど何でも
よいでしょう。
ただ、本好きになる可能性があるのに、
よい本に出合えずに一生を終えるには、
もったいない。
だから、まず子どもたちには絵本を手に
取ってみてほしいと思います。