電子レンジやオーブンレンジは、
ほとんどの家庭にある身近な
家電製品です。
操作が簡単で便利な半面、注意しなければ
ならないことがあります。
レンジの活用についてのポイント。
使える容器・使えない容器
※ 容器は調理に応じて、正しく選びましょう。
詳しくは、取扱説明書に従ってください。
さまざまな機能
最近では、電子レンジだけでなく、
オーブン加熱やスチーム加熱といった、
調理法に応じた機能が備わっている
オーブンレンジが多くなっています。
製品によって機能の充実度は異なりますが、
主な機能を紹介します。
* レンジ加熱
電波による水分の振動で摩擦熱を起こして
食品を温めるため、食品の表面と内側を、
ほぼ同時に加熱することができます。
冷えたご飯など、すでに作り終えた料理を
温め直す際や、野菜の下ごしらえに便利です。
* オーブン加熱
オーブン加熱は庫内全体の温度を設定し、
その温度を維持しながら食品を
「焼く」機能です。
高温の空気でジワジワと焼いていきます。
加熱方式には、大きく分けて2種類あります。
一つはヒーターの熱風を循環させて、
庫内の隅々まで熱を行きわたらせる
「熱風循環方式」。
もう一つは、庫内の上と下にヒーターを
備えて、そこから発する輻射熱で食品を
熱する「上下ヒーター方式」です。
* グリル加熱
グリル加熱は、直接、火にかけるイメージで、
庫内上部などのヒーターで食品の表面を
香ばしく焼き上げる機能です。
* スチーム加熱
蒸気を用いて食品を「蒸す」機能。
スチームのみで加熱するほか、オーブン加熱
など他の機能と組み合わせて使用する
こともあります。
* 過熱水蒸気加熱
100度以上に加熱された水蒸気を使って
食品を加熱する機能です。
高温の水蒸気が食品に触れることで効率よく
熱が伝わり、内部まで素早く加熱できます。
また、水と一緒に脂が流れるため、
カロリーを抑えられるのも特徴です。
取扱説明書に従うことが大切
冷凍した肉や魚などを調理する際、短時間で
解凍するのに、電子レンジやオーブン
レンジは、とても便利です。
そこで賢く解凍するポイントを紹介。
ただし、全ての電子レンジやオーブンレンジに
当てはまるわけではないので、あらかじめ
付属の取扱説明書を確認してください。
賢く解凍
◆ 自動設定による
解凍はラップをかけない
付属の機能による自動設定で冷凍の肉や
魚を解凍する際は、ラップをかけない
ようにしましょう。
ラップをかけてしまうと、機種によっては、
スチームの効果やセンサーがうまく機能せず、
上手に解凍できないことがあります。
◆ 冷凍室から出したらすぐに解凍
冷凍室から取り出した肉や魚は、すぐに
解凍しましょう。
表面が解けている状態で解凍すると、
そこから温まってしまうため、解凍に
むらが生じてしまいます。
表面が解けてしまった場合は、低い
出力(㍗数)で、様子を見ながら解凍
するといいでしょう。
◆ 正しい分量で解凍
解凍する食品の分量が極端に少なかったり
多かったりすると、解凍し過ぎたり、
解凍不足になったりします。
そのため、取扱説明書で推奨されている
分量を守るようにしてください。
◆ 手動での解凍は低出力で
冷凍食品の場合は、解凍し温めるための
出力と時間が、包装紙に記載されている
ことが多いですが、冷凍保存しておいた
肉や魚は、手動で出力や時間を設定して
食品を解凍する必要があります。
その場合は、低出力で様子を見ながら
解凍するようにしましょう。
また、食品の種類や分量によって、推奨する
出力や時間が異なるため付属の取扱説明書を
チェックし、それに従って解凍するように
してください。
気を付けよう
◇ 飲み物の加熱に注意
飲み物や油脂分の多い液体は、加熱し
過ぎると、取り出した際に突然沸騰して、
飛び散ることがあります。
そうした現象は、水や牛乳、豆乳、お酒、
コーヒー、スープ、みそ汁などでみられる
ことがあります。
予防のために、加熱前にスプーンなどでよく
かき混ぜておいたり、設定時間を控えめに
したりするといいでしょう。
もし加熱し過ぎた場合は、1、2分ほど
置いてから取り出してください。
また、開口部が小さい容器や小さめの
カップを使って温める際も、注意が
必要です。
取扱説明書に従い、「飲み物専用キー」など
上手に使うといいでしょう。
◇ 調理以外の目的で使わない
発火や発煙、やけど、破裂の原因となるため、
取扱説明書に記載されている用途以外での
使い方はしないようにしましょう。
例えば、湯たんぽの温めや、おしぼりの
加熱・乾燥のためにレンジを使うのはNGです。
◇ 加熱NGの食品
殻や膜で覆われている食品をレンジで加熱する
のは危険なのでやめてください。
代表的なものは卵です。
ゆで卵であっても生卵であっても、殻の一部に
強い圧力がかかり破裂します。
また、殻をむいたゆで卵や目玉焼きの再加熱も、
同じく破裂してしまいます。
同様に、栗やギンナンも殻がありますので、
殻が付いた状態での加熱は控えてくさい。
◇ 庫内は清潔に
庫内には、どうしても油や食品のかすが付着
してしまうことがあります。
これらを放置しておくと、臭いが残ったり、
発火や発煙の原因になったりします。
簡単な汚れであれば、ぬれた布巾で拭き
取れば結構です。
汚れがひどい時は、ぬるま湯に中性洗剤を
溶かして、これを含ませた布できれいに
拭いておきましょう。
電子レンジの仕組み
■ どうして温まるの?
電子レンジは食品を解凍したり、温めたり
する際に使いますが、どのようにして
温めることができるのでしょうか?
それは、庫内で発する電波による力なのです。
この電波は、1秒間にプラス極と
マイナス極が交互に24億5000万回も
振動します。
これにり、食品に含まれている水の分子が
振動し、摩擦熱が発生します。
その熱が広がって食品全体が温まるのです。
電波の特徴として、陶器やガラスなどの
水分を含んでいない物質は通り抜けるので、
電波によって器が熱くなることはありません。
逆に、金属類は電波をはじくため、金属製の
容器を使用すると、中の食品は温まりません。
レンジの使用は、その特徴を知り、用途を
守ることが大切です。
扱い方を誤ると、発火・発煙などを引き
起こすことがあるので、これを機に、
改めて付属の取扱説明書を確認する
ようにしてください。
■ 加熱方法の違い
レンジには、庫内でテーブルが回転する
「ターンテーブル式」と、回転しない
「フラットテーブル式」とがあります。
ターンテーブル式は、庫内の食品が回転する
ことで、加熱のむらを少なくします。
フラットテーブル式は、電波を発する
アンテナが回転するので、食品が回らなくても
効率よく電波が拡散され、均一に加熱される
ようになっています。
ターンテーブルがないので庫内のスペースを
広く使うことができ、庫内が平面な分、
汚れを拭き取りやすく、お手入れが簡単。
そのため、昨今では、フラットテーブル式を
使うひとが増えてきています。
こんな使い方も
* ニンニクの臭い消し
ニンニク1片を薄皮が付いた状態でラップに
包み、庫内の中央に置きます。
1片につき、500㍗で20秒ほど様子を
見ながら加熱します。
そうすると、臭いのしないニンニクになります。
* 豆腐の水切り
炒め物などを作る際の豆腐の水切りのも、
レンジは活躍します。
皿に豆腐を乗せ、何も覆わず、1丁(約300㌘)に
つき約1分30秒加熱。
布巾で表面の水気を拭き取るだけで、水切りが
できます。