暖かな陽気とともに、空中に花粉が
舞い、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが
起こる「花粉症」に季節がやってきます。
つらい症状を少しでも抑えるためのポイント。
花粉の付着に対する要因
花粉症の症状を抑えるためのポイントは、
花粉となるべく接触しないようにすること。
しかし、日常生活のなかで、花粉とまったく
接触しないことはなかなかできません。
一方、今年の花粉飛散量の予測では、東北から
近畿、四国地方までの広い範囲で、前シーズンの
飛散量を上回る見込みです。(日本気象協会発表)
中には、前シーズンの2倍の飛散量が予測される
地域もあり、早めの対策が求められます。
https://tenki.jp/pollen/
花粉が多い日はなるべく屋外を出歩かないこと、
外出する時はマスクやメガネ、帽子などの保護具を
活用する対策もありますが、屋内では
「まず持ち込まないこと」が大切です。
何も対策をしなかった場合、住宅内のハウスダスト
1㌘の中には10万個もの花粉があったとの調査も
あります。
部屋では、換気のために窓を開ける必要がありますが、
窓を約4分の1、1時間にわたって開けた場合、屋外に
飛散している花粉の3分の1が家の中に浸入するとも。
これは6畳間に換算すると約1万5000個にもなります。
しかし、浸入経路はそれだけではありません。
着用した衣類や、外干しした洗濯物にも大量の花粉が
付着します。
これらの要因を掃除や洗濯を通して抑えることで、
効果的な花粉症対策を行うことができます。
外出の際に着用していた衣類には、どれくらい
花粉が付着しているのか。
飛散量の多い日を想定した室内実験では、
ポリエステルのフリースには10万8000個の
花粉が付着。
ウールのセーターにも10万1000個の花粉が付着。
これに対して、綿のシャツには1万2000個との
結果がでました。
この時、ポリエステルとウールの生地には静電気が
発生して、花粉が付着しやすい状態になっていました。
では、静電気が発生してない状況ではどうでしょうか。
静電気を除去しながら実験を行った場合でも、
けば立ったウールに付いた花粉の量は、綿のシャツの
約3倍に。
付着には、けば立ちの影響が無視できないことが
わかりました。
さらに、外出先から帰宅した際、服を払うと、服に
付いた花粉の量は約20%減少することも判明。
実験から、衣服に花粉が付着する原因としては、
衣類が静電気を帯びること、生地がけば立っている
ことがあげられます。(ライオンの実験による)
花粉を撃退するには、効果的に掃除することに加え、
表面の凸凹が少ない衣類を着用すること、
付着した花粉を落としてから家に入ること、
綿とポリエステルなど、こすれても静電気が
発生しにくい服の着合わせをすること、選択の際、
柔軟剤を使ったり、外出前には静電防止スプレーを
噴霧するなど衣類の静電気対策を行うことが
望まれます。
花粉症の症状を少しでも抑えられるよう、
これらの方法を組み合わせて活用しましょう。
花粉撃退のポイント
◆ 効果的な掃除
◆ 表面の凸凹が少ない服を着る
◆ 帰宅時には花粉を払い落とす
◆ 静電気を防止する洗濯を行う
◆ 静電防止スプレーを噴霧する
掃除のポイント
◇ 床のフローリングは朝の雑巾がけを
花粉がたまりやすい場所は、玄関や窓際のほか、
リビングのソファーやカーペットの繊維、
畳の目、服を脱ぎ着する脱衣所やトイレなどです。
このような場所は特に、重点的に掃除することが
大切です。
家の中に浸入した花粉は時間をかけてゆっくりと
落下していきます。
そのため、人が寝ている間に落下した花粉は、
朝、床に積もっています。
フローリングなどの床の掃除では、いきなり
掃除機をかけると花粉が舞い上がって
しまいます。
そのため、まず、ウェットタイプのお掃除シートや
ぬれ雑巾で床を拭いてから花粉を除去し、
掃除機をかけるのがお勧めです。
目に付きにくいテレビやパソコンの裏は、見落とし
やすいことに加えて静電気が発生するため、
花粉が付着しやすい状態です。
掃除の際は忘れずに拭き掃除を行ってください。