毎日の生活に欠かせない照明器具。
省エネ・節電の意識が高まる中、さまざまな種類の電球が
店頭に並んでいます。
近年急速に普及している発光ダイオード(LED)をはじめ
電球の種類や用途、交換のタイミングについて少し
まとめてみました。
省エネや部屋の雰囲気作りに、適切な選択を
電器店にいくと、店頭には数多くの種類の電球があります。
選ぶときはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
電球を大別すると白熱電球、蛍光灯、発光ダイオードのLED電球に
分かれます。
これらは、明るさや電球のガラスの形、消費電力などによって
さらに細かく分けられます。
白熱電球は、熱に強いタングステンなどを用いた「フィラメント」に
電流を流して加熱し、放射熱によって発光させています。
そのため、放射するエネルギーに占める熱の割合が大きく、その半面、
光の割合は小さくなります。
蛍光灯は、水銀蒸気中に放電することによって発生する紫外線がガラス管に
塗られた蛍光体に当たって光るもの。
これに対してLEDは、電流を流すと発光する特殊な半導体を利用したものです。
放射したエネルギーに占める光の割合はLEDが最も高くなります。
次世代ランプとして期待を集めるLED電球は、効率面から見ると最も有効です。
政府ではLEDなどの「高効率照明」を、2020年までに出荷比率の100%、
2030年までに市場規模の100%に普及するよう目標を掲げています。
もっとも、白熱電球には独特の温かな色合いがあるなど、用途に応じて
使い分けは考えられるでしょう。
電球を替えるだけで、部屋の雰囲気をガラリと変えることもできますし、
省エネ効果も期待できます。
経済性はもちろん、部屋や施設をどのように演出するかを考え、適切な
電球選びをしてはいかがでしょうか。
どの場所にどんなタイプがいい?
比較的寿命が長く、コストも低く抑えられるといわれるLED電球。
家庭で使用する際の選定ポイントを紹介します。
まず、電球の金属部分である口金をチェック。
一般電球タイプは幅が26㍉、小型電球タイプは幅が17㍉などの
種類があります。
次に「明るさ」。
電球自体や包装に記された表示などを参考にしてください。
LED電球の色としては、主に次のような種類があります。
【 電球色 】
日の出、日の入りの太陽光や白熱電球の色などに近く、
安らぎを与えてくれます。
【 昼白色 】
午前9時ごろの太陽光に近く、自然な雰囲気を演出します。
【 昼光色 】
正午ごろの太陽光や蛍光灯の色に近く、すがすがしい
清涼感が得られます。
なお、光の色の名称は、メーカーにより異なる場合が
ありますので注意してください。
光がどの方向にどれだけ出ているか、その広がりを「配光」といいます。
LED電球では、一般の白熱電球と異なり、方向により明るさに違いがあるため
電球のすぐ下の明るさと比べて、その脇などでは、同じ明るさが得られない
場合があります。
また、電球の形状によって、光がほぼ全方向に放射する「全方向タイプ(全般配光タイプ)」
電球より下を主に照らす「広配光タイプ(準全般配光タイプ)」のほか
特定の方向を照らすのに適した「下方向タイプ(集光タイプ)」もあります。
それぞれの用途やお好みに合わせて選んでください。
どのタイプがいいか迷った場合は「全方向タイプ」を選択すると
いいでしょう。
取り替えるタイミングはいつ?
≪ 白熱電球 ≫
白熱電球は、フィラメントに電流を流して熱と光を発生させます。
しかし、使い続けることによって次第にフィラメントが蒸発し
消耗してしまいます。
白熱電球の寿命は、おおむね1000時間~3000時間とも。
しかし、メーカーにとって保証された“使用限度”である
「定格電圧」を超えた状態で使ったり、繰り返し点滅させたりすれば、
その分、寿命が短くなります。
電球を見た時、フィラメントが焼き切れてガラス管の壁面に落ちている
のがみえたり、少し暗くなってきて、寿命が近づいてきたなと感じたら
交換しましょう。
≪ 蛍光灯 ≫
蛍光灯は白熱電球と比べると効率が良く、消費電力は白熱電球の3分の1~
4分の1といわれています。
寿命も5000時間~1万時間と長いのが特徴ですが、蛍光灯ランプの
明るさが使用当初の約70%になったら寿命としています。
この頃になると、比較的古いタイプの蛍光灯では、ちらつきや部分発光、
管の両端が黒くなるなどの現象が見られます。
また、蛍光灯にはランプとは別に、点灯管や電子回路式の「安定器」と
呼ばれる装置などが付いています。
これらの寿命は約10年といわれています。
明るさの低下や異常な点滅などが見られたら、照明器具を含めて
交換を検討しましょう。
≪ LED電球 ≫
「4万時間」「約10年」など長寿命といわれ、器具を取り替えにくい
場所に適しているLED電球ですが、交換するタイミングはいつでしょうか。
照明器具の寿命は使用環境によって左右されるので、一律にはいえませんが
長時間が経過すると、外観に異常がなくても、内部の絶縁物の劣化などが
発生しているケースもあります。
まれに発煙や発火、感電の原因となる場合もありますので、8~10年で
点検・交換することをおすすめします。
また、使用当初に比べて少し暗くなってきたと感じた時、交換するといいでしょう。
【 こんな点に注意! 】
天井に埋め込んで取り付けるダウンライト。
取り付けたLED電球の上部に断熱材が敷き詰めてあると、熱の逃げ場がなくなり、
回路の電子部品の寿命が短くなる場合があります。
LED電球を設置する時は、ダウンライトの反射板などに「S」マークが付いて
いることを確認してください。
付いている場合は、「断熱材施工器具対応」と記された電球を使用しましょう。
明るさの単位「ルーメン」って何?
電球の性能表示を示す単位として近年、「ルーメン(㏐)」が
用いれられることが多くなっています。
ルーメンとは、ラテン語で「昼光」を意味する言葉。
光源から放射される1秒当たりのエネルギーのうち、人間の目に
光と感じる量です。
当初、LED照明製品には「白熱電球○○㍗形相当」という表記しか
ありませんでした。
しかし、同形の白熱電球と比べると、暗く感じるという声がありました。
これは、LED電球の明るさを示す表記が電球直下の明るさだったことが
原因でした。
現在、白熱電球20㍗形相当は170ルーメン以上、30㍗形相当は
325ルーメン以上、40㍗形相当は485ルーメン以上など、
白熱電球のワット数に相当するLED電球はルーメン値がガイドラインで
示されています。