生活の質を高める良質な睡眠の
カギとなる「枕」。
正しい睡眠姿勢を保つ枕に変えたことで、
頭痛、肩凝り、腰痛をはじめ、
自律神経症状や睡眠時の無呼吸、いびき
などが改善されたという研究データも。
自律神経や無呼吸にも影響が
◆自分に合った枕を使うと
どんな効果が期待できる?
首と胸と腰また、脊椎に関わる病気が
枕を変えることで楽になるケースが
多いようです。
例えば、頭痛、肩凝り、腰痛。
注射や薬を使わなくても、生活の基本を
見直せば7割以上が良くなるという
データもあります。
ただ単に首が痛いんじゃなくて、
自律神経症状を合併していたりします。
眠れない、動悸がする、おなかが痛い、
便秘や下痢などの胃腸症状、めまい、
あっちこっち痛いなど。
そういう方も、東京大学医学部付属病院
22世紀医療センター、倉敷成人病センター、
東京工科大学との共同研究の結果、
枕を変えることで症状が改善されたという
結果も出ています。
◆他に研究で分かったことは?
無呼吸の背景には、実は大きなリスクが
あるんです。
高血圧、糖尿病、がんなどは、無呼吸に
よって悪化することが分かってきました。
一方で、無呼吸を改善し深い睡眠を
得ることで血圧を安定させたり、がんの
免疫力をあげたりするんじゃないか、と。
まだ証明されていませんが、良い結果が
出ています。
生活の質を高め人生を変えよう
◇良質な睡眠をとるため、
正しい枕の条件とは?
① ジャストサイズの高さ
上向きに寝た時に首の角度が約15度で、
息の通りが楽なこと。
同時に、横向きでは額、鼻、胸の
中央のラインが床と平行であること。
② コロコロ転がれる硬さと平らな構造
寝返りが楽にできること。
そのためには頭が沈み込まない硬さが
必要。
首を安定させたまま左右に寝返りを
打つには、真っ平らが理想です。
③ 体に応じたメンテナンス
体型の変化や加齢による骨格の変化で、
適切な高さは変わってきます。
常に体の変化に気を配りながら調整を。
* 好みやこだわりを捨てきれない方が
いますが、人間が使う道具には好みで
選んでいいものと、そうじゃないもbのが
あります。
好みを優先して軟らかい枕にすれば、
夜中にぐらぐらと首が不安定になり、神経が、
挟まれて、痛みや凝り、しびれの原因のも
なりかねません。
そば殻やプラスチックチップの枕も、頭が
沈み過ぎると、寝返りの動きを妨げます。
◆寝苦しい夏へのアドバイス
寝苦しいと感じるのは、眠りが浅いから。
夜中にトイレに2~3回行く人が、枕などの
環境を変えてぐっすり眠れるようになると
行かなくなることもあります。
そういう場合、実はトイレに行きたくて
起きるのではなく、眠りが浅いから目が
覚めて、その結果トイレに行くのが
習慣になっていたんです。
枕以外の寝具で注意してほしいのは、
タオルケット。
寝返りを打っているうちに体にくるくる
巻き付いて背中に敷いていたりすると、
背骨に負担が。
薄い羽毛布団など体にまとわりつかない
ものがおススメです。
十分働ける人が働けない問題
何年か前からアメリカでは
「ウェイクアップ・アメリカ」の
スローガンで、睡眠時無呼吸や睡眠障害に
よる経済的損失に取り組んでいますが、
今、日本でも「ウェイクアップ・ジャパン」で、
眠りを良くしようという動きが
始まっています。
睡眠はまだまだ未解明なことも多いですが、
24時間のうち起きて活動している
4分の3の時間と同等、もしくはそれ以上に
大事だといわれています。
心身の健康のため、思い通りの人生を
生きるためにも、睡眠の質について見直す
きっかけになればと思います。