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女性の社会進出、高齢化が後押し「家事代行」

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買い物や料理、掃除、洗濯・・・・・

家事労働は禁物、日常生活の中で大きな

役割を占めています。

これらの負担を軽減するサービスとして

注目されているのが家事代行サービス。

家事代行の動向や活用法を、少し

まとめてみました。

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身体的、心理的負担から解放

近年、家人に代わって料理の作り置きや洗濯、

部屋の掃除などを行う「家事代行」が

増えています。

一昔前は、経済的に余裕がある人が利用する

ケースが多かったのですが、近年は料金が

比較的安価になり、独身者や若い共働きの

夫婦、高齢者も気軽に頼めるように

なっています。

増加の要因には、低価格に加えて、

1980年代ごろから顕著になった、女性の

ライフスタイルの変化があります。

女性の社会進出が活発になり、共働きが増加。

妻に多くの負担がかかっていた家事を家族

以外に求める「家事の外部化」が要請される

ようになりました。

もっとも、総務省の2016年

「社会生活基本調査」によると、6歳未満の

子どもを持つ世帯の妻は、過去20年間で

家事時間が1時間1分減りましたが、

なお3時間7分(16年)。

これに対して夫は17分。

妻の家事時間は夫の11倍にもなります。

以前に比べ、夫の家人時間は少し増え、

電化製品が普及したものの、妻の家事負担を

一層減らすことが求められています。

もう一つの背景は社会の高齢化。

高い所から物を取ったり、物を持ち上げたり

など、上下運動が多い家事は、高齢者に

とっては負担も大きく、家事代行を必要と

する場合が多くなっているのです。

現在、家事代行の事業者数は約800(推定)。

代行する人もプロの“お手伝いさん”

ばかりでなく、家事の経験がある主婦や

栄養士などの資格を持った個人が増加。

空いた時間に培ってきた家事スキルを

生かしたいと考える人が増えています。

利用した人は

「家事に関する肉体的・心理的負担が軽減した」

「自分の時間が確保できた」

「家事に関する知識やテクニックを
    勉強し、家事スキルの向上に活かせた」

など、9割が良かったと感じています。

こうした流れに対応し、代行業を始めたい人

向けに講座を開く団体も誕生しました。

また、信頼向上へ、全国家事代行サービス協会が

推進し、日本規格協会が審査する

「家事代行サービス認証」が2017年からスタート。

サービスの質のさらなる向上に取り組んでいます。

フランスなどでは、家事代行に要した費用の一部を

所得控除できる制度もあります。

日本では、家事代行サービスの周知は、まだ途上

ですが、家事に追われ過ぎ、自由に使える時間を

増やして、充実した毎日を送るために、家事代行を

上手に活用してはいかがでしょうか。



主な代行の種類

◆ 掃除

*定期的なサービス、専門的対応も

掃除の代行は、定期的に利用する場合と

引っ越しや大掃除など必要な時だけ利用する

場合と分かれます。

共働き夫婦のみの世帯の場合、部屋の掃除は

休日にまとめて行うことになりがちです。

しかし、休日は日頃の疲れを癒したり、外出や

スポーツなどでリフレッシュしたりしたいもの。

掃除の代行サービスは、そんなニーズに

対応しています。

汚れが目立ちやすい水回り
(キッチンや浴室、洗面所、トイレなど)に

特化した掃除やベッドメーキング、またエアコン

換気扇、窓やサッシの清掃などに専門的に対応

する男性を中心とした代行も存在します。

さらに、家をキッチン、リビング、トイレなど

幾つかに分け、掃除をしたい箇所を選択できる

ようにしたものも。

その他、鍵を預けることが不安な場合は在宅時

のみ代行するサービスもあります。

◆ 料理

*高齢者のコミュニケーション促進にも

朝食や昼食、夕食などの用意、作り置き、

下ごしらえなどの半調理など、料理をオーダー

メードで行うのが料理の家事代行。

調理だけでなく、食材の買い物を代行してくれる

場合もあります。

共働きで出勤が朝早い世帯での1週間の作り置きや

下ごしらえ、子どもの塾の弁当作り、料理の

時短を行いたい場合などに活用できます。

以来の際は、アレルギーの有無や食材、味付けの

好き嫌い、高齢者用に別メニューが必要かなど、

細かい要望を伝えましょう。

また、高齢者の一人住まいでは、毎回の調理に

負担を感じているケースも。

こうした時、栄養バランスを考えた献立を提供

してくれると健康維持にも役立ちます。

調理前後の会話を通してコミュニケーションを

図り、認知症を予防したり、生活の質(QOL)を

充実させたりすることも期待できます。

◆ 庭掃除

*個別の事例は業者と打ち合わせを

炎天下の作業で大変なのが庭掃除。

特に夏は庭草の成長が早く、芝生でも終日放置

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しているとすぐ雑草が生えてしまいます。

また、庭石の移動や、掃除をして出た粗大ごみの

分別・運搬などの必要が生じることもあります。

家事代行では、こうしたサービスも手掛けています。

依頼により男性スタッフが携わるケースもあり、

庭掃除などの力仕事を行うほか、大型犬の散歩

などにも応じる場合があります。
(犬については専門業者に依頼する場合もある)

時間を決めて、花の水やりなどを行うケースも

あります。

危険を伴う高所での作業や庭木の剪定、重量物の

運搬など依頼に応じることが難しい場合も

ありますので、個別の事例は代行業者に

問い合わせてください。

◆ 洗濯

*アイロンがけ、布団干しなども頼める

仕事から帰宅した後の洗濯は、周囲に騒音で

迷惑を掛けていないか気になる

洗濯の家事代行は、そんな心配も解消してくれます。

色ものや繊維の素材に応じて洗濯するサービスや

洗濯干し、布団干しなども。

取り込んだ後のアイロンがけも行ってくれます。

また、急な用事で洗濯ができなくなった時、すぐ

対応してくれるケースもあります。

このほか、依頼主の家の収納スペースに合わせた

衣類の畳み方をするなど、さまざまなニーズに

合わせていきます。

◆ その他

*収納の相談など多様なニーズ

掃除や洗濯、料理のほかにも多くの家事があります。

キッズ、ベビーシッターサービスでは、子どもの

身の回りの世話や送迎、室内・屋外での

シッティングを行っています。

また、子どもの食事の温めや用意などの補助、

幼稚園・保育園や塾などの送迎、本の読み聞かせ、

宿題サポートを行う事例もあります。

部屋の片付けの際、課題となるのが、“物の多さ”。

こうした悩みを解決するため、収納時に必要な物、

必要でない物を判断する折、依頼者からの相談に

応じてくれるサービスもあります。



トラブル回避へクーリングオフも活用

炊事や掃除、洗濯など家事を代行して支援する

サービスが提供されるようになっています。

一方、全国の消費者センター等には、キッチンや

浴室等の清掃、エアコンのクリーニング等に

関する相談が寄せられています。

相談者の半分以上を占めるのが高齢者
(70歳以上が38%、60歳代が18%)

特別な低価格サービスの提供をきっかけに高額の

契約を勧誘するなどの事例も起きています。

国民生活センターでは、複数社から見積もりを

取り、納得した上でサービスを依頼すること、

破損や紛失があった場合の補償について事前に

十分確認すること、自宅でサービスの契約を

締結した場合、原則として、クーリングオフが

できることなどを周知し、トラブルに

注意しましょう。



将来の市場規模は6000億円⁉

家事代行などの家事支援サービス。

これらについて、行政はどのように考えて

いるのでしょうか。

経済産業省では2014年、家事支援サービスに

ついて女性活躍の推進のために家庭負担の

軽減が必要と指摘。

その一方、サービスの利用が限定的にとどまって

いるのは、「価格が高い」という理由に加え、

日本人に比較的多いとされる

「他人に家の中に入られることに抵抗がある」

「セキュリティーに不安がある」

などの不安感、さらに

「どの会社が良いサービスを
      提供しているのか分かりにくい」

などアクセスしにくさが原因と分析しています。

同省では、サービスの利用促進のため、価格面の

負担軽減や、利用者のニーズをサービスに反映

させる仕組み、サービスを行う担い手の

技能・管理能力の向上などを提言しています。

将来の市場規模が約6000億円とも試算

される家事支援サービス。

その拡大は、価格、内容面のさらなる充実に

かかっています。

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