耳元で“ブーン„と不快な羽音、
刺されたときのかゆみ・・・・・。
気温も高くなり、蚊が多くなる季節に
なりました。
そこで蚊の対策について少しまとめて
みました。
少しの水でも発生
蚊は、必ず水のある所に卵を
生みます。
そのため、家の周りに水がたまらないように
することが蚊の発生を抑制する大切な
ポイント。
庭やベランダなどの水はけを良くすることに
加え、植木鉢の下に敷いてある受け皿や
空き缶など、細かい場所もチェック
しましょう。
ペットボトルのキャップにたまった水でも
産卵が可能な種類もいます。
また、雑草が茂っている場所は隠れやすいため、
蚊に好まれる環境といえます。
◇ 人の体温、匂いが好き
蚊は、人の体温や匂い、また呼吸による
二酸化炭素を感知して寄ってきます。
蚊を寄せ付けるこれらの要素が多い人ほど、
刺されやすい人といえるでしょう。
特に、運動後や飲酒は要注意です。
さらに、妊婦の方や子どもは体温が高いので、
刺されやすい傾向にあります。
小まめに汗を拭き取るようにするだけでも、
蚊に刺されるリスクは軽減されます。
“血液型がO型の人は刺されやすい„
という説もありますが、今のところ、
血液型によって刺されやすさが変わる
という、明確な根拠はありません。
◇ 服装は白か淡い色
気温が高くなると、肌の露出が多くなり
がちですが、蚊に刺されやすい場所に行く
ときは、長袖・長ズボンを着ることを
お勧めします。
この時、濃い色、特に黒い服は避ける
ようにしましょう。
濃い色は蚊にとって保護色となるので、
近づいてきます。
逆に、淡い色や白い服を着ることで、
蚊にとって“近づきがたい存在”に
なれます。
虫よけは正しく使おう
外出時に効果的なのが、虫よけスプレーや
ジェルなどの虫よけグッズですが、実は、
誤ったイメージが浸透し、正しい使い方が
されていないアイテムの一つでもあります。
虫よけの主成分には、
「ディート」「イカリジン」がありますが、
いずれも、においなどで蚊を撃退するもの
ではありません。
スプレーやジェルを付けた箇所を、蚊が
感知できなくなる仕組みなのです。
つまり、塗った箇所だけが“透明人間„に
なるようなもの。
よく、腕や足にシューッと一掛けして
安心している様子を見ますが、これでは、
本来の効果が期待できません。
全体に吹き掛け、ムラがあくなるように
広げましょう。
首や足元なども忘れずに。
顔に付ける際は、一度手に吹き掛けたものを
塗るように使ってください。
服の上からでも使用可能な便利な商品も
ありますが、考え方は同様です。
商品によっては、年齢や回数などに
制限があるので、説明をよく読んで
使いましょう。
◇ 蚊取りグッズは風上に
蚊を駆除するためのグッズは多様化
しています。
水性の電子蚊取り器具や、屋外にも持ち運び
可能な電池式のものもあります。
渦巻型の蚊取り線香は、夏の風物詩としても
根強い人気です。
いずれも殺虫成分を広げることにより、蚊を
駆除・忌避させるグッズです。
ただし、風の影響をうけやすいため、風上に
置くことを心掛けましょう。
また、1日1回スプレーを一吹きするだけで、
薬剤が壁に付着し、待ち伏せ効果で蚊を
殺虫できる商品などもあります。
子どもやペット、植物への影響は基本的に
ありませんが、金魚など水生生物がいる
場所は注意しましょう。
当然ですが、殺虫剤なので、カブトムシなど
昆虫を飼っている場所の使用は厳禁です。
◇ パチンよりキャッチ
蚊を見つけた時は、専用の殺虫スプレーを
吹き掛けるのが最も効果的。
もし蚊を見失った場合にも、シュッと
一吹きしておけば、直接掛からなくても、
追い出し効果があるので有効です。
一方で、手で倒すのは、なかなか難しいもの。
蚊はとても軽いため、両手でパチンと
たたこうとすると、その風圧で蚊が吹き
飛ばされてしまいます。
蚊を上からさっとつかむイメージのほうが
取りやすいようです。
◇ 刺された所に×印⁉
蚊に刺された場合は、なるべく早く、虫刺されに
効く薬を塗ることです。
気を付けたいのは、絶対にかきむしらないこと。
人によっては、大きく腫れたり、刺された
箇所が膿んで、とびひになったりするケースも
あります。
その際は医療機関に行くことをお勧めします。
“蚊に刺された箇所に、爪で×印を
つけるとかゆみがなくなる„
という話を聞きますが、これはNGです。
×印を付ける刺激によって、一瞬、かゆみを
感じにくくなるかもしれませんが、根本的な
解決になりません。
それどころか、爪からばい菌が入り、より
ひどい結果になることもあるので、絶対に
やらないようにしましょう。
基本知識
◆ 蚊が発生する時期は?
気温が15度以上になると、蚊の活動は
活発になり始め、気温が26~32度に
なると最盛期に。
梅雨から夏がピークですが、実際は3~10月と
かなり長い期間活動しています。
日本だけでも約100種類の蚊が確認されて
いますが、一般的に見る機会が多いのは、
ヒトスジシマカ(ヤブカ)とアカイエカです。
◆ なぜ人を刺すのか。
蚊といえば、人の血を吸うイメージが強い
ですが、通常、蚊は花の蜜や樹液などを
主食としています。
実は、人を刺すのは産卵を控えたメスだけ。
より高い栄養価を求めて人間に近づくのは
蚊にとっても“命懸け„の行為なのです。
◆ 蚊の被害について
世界中で一番、人を殺している動物は
何かご存じでしょうか。
実は、第一位が蚊です。
マラリアをはじめ、フィラリア、
ウエストナイルウィルスなど命に関わる
病原体を媒介する恐ろしい動物なのです。
今では激減した日本脳炎も、蚊が媒介する
病気の一つです。
近年では、日本でもデング熱やジカ熱が
ニュースとなっているので、油断は禁物。