毎日のように使う調理器具は、
上手にお手入れすることで、きれいに
長持ちさせることができます。
調理器具の洗い方やお手入れに
ついてのポイント。
時短もでき料理の腕もアップ
フライパンや鍋、まな板など、料理に使った
器具の片付けは、面倒だからとつい後回しに
してしまいがち。
ところが、いざとなるとシンクにたまった
食器や調理器具の山を見て洗う気が
うせてしまう・・・・・
といったこともあります。
気持ちはよく分かりますが、調理の汚れは
時間が経つほど落ちにくくなり、放置する
時間が長くなるほど片付けに手間が
掛かってしまいます。
台所の家事で楽をしたいと思うなら、
調理器具は
「使ったら、すぐ洗う」こと。
結局は、これが最も
“手を抜く„方法なのです。
また、調理の間に効率よく洗えば時短を
図ることも可能です。
「平成28年社会生活基本調査」によると、
家庭での無償労働に占める割合は、
調理器具や食器の後始末を含む
「食事の管理」が男女とも最も多く、特に
女性では家事の50%にも達しています。
つまり、調理器具や食器の後始末を
効率化するだけでも、家事負担の軽減に
つながるのです。
お手入れの基本は
「汚れを落とす」
「拭く」
「乾燥させる」。
洗った後、乾燥に時間をかけるとカルキの
水アカなどが残る場合がありましが、
調理器具が余熱を持っているうちに
速やかに洗うことで乾燥が早まり、
アカが残らずきれいな状態になります。
家事をスムーズに進めるには、実は
調理器具を小まめにお手入れすることが
効果的です。
例えばフライパンも、汚れが残ったままだと
熱を伝える働きが弱まり、十分な加熱が
できないため、調理に時間がかかるばかりか、
せっかくの料理もおいしく仕上がりません。
日々のご飯づくりはスピード勝負。
普段から器具を小まめにお手入れしておく
ことで、調理の段取りなど時間の使い回しが
できるようになり、料理の腕も上がります。
特に食べ盛りの子どもたちを抱えて大忙しの
家庭にとっては大切なことだと思います。
また、調理器具のお手入れを含め、家事の
段取りを子どもと一緒に考えて行えば、
食育につなげることもできます。
調理器具の上手なお手入れで、器具を
長持ちさせるとともに、料理の腕の
アップや食育にも生かしてはいかが
でしょうか。
主な道具の汚れの落とし方
◆ やかん
*中より外側が汚れている場合も
やかんは中に水を入れて沸騰させるため、
実は内側より外側が汚れています。
側面の焦げ付きはクレンザーなどを使い、
スポンジの硬い部分で軽くこすって
落とします。
お茶などを煮たてた場合、やかんの内側にも
茶渋などが付着しますが、その場合、発砲
させたメラミン樹脂でつくったメラミン
スポンジが効果的。
また、カルキの水あかはクエン酸を入れて
火にかけて一度沸かしと取り除くことが
できます。
◆ フライパン
*料理後の余熱を活かして手早く
フライパンには、フッ素樹脂による
「テフロン加工」のものや鉄製、
ステンレス製のものなど、
さまざまな種類があります。
テフロン加工のフライパンは表面に食材の
焦げ付きを防ぐ加工をしています。
そのため、表面を削ってしまうスチール
たわしの使用はNG。
粗熱が取れたら食器用の中性洗剤を付けた
スポンジで表面を傷つけないように
洗ってすすぎます。
鉄製のフライパンは調理後の余熱があるうちに
洗剤を使わずにスチールたわしなどで手早く
あらいます。
その後、さびを防ぐために軽く素焼きをして
水分を飛ばします。
新しい鉄製のフライパンを使い始める前に
行うのが、焦げ付きを防ぐために食用油を
なじませる「油ならし」。
同じところがいつも焦げる“焦げぐせ„が
つくのを防ぐのに効果的です。
しかし、お手入れの際、中性洗剤を使うと、
せっかくなじんだ油が洗い流されて
しまいます。
調理後はたわしやナイロンブラシを使い
お湯で洗いましょう。
その後、ふきんで水分を拭き取り、
火にかけて乾かしてから油を薄く塗って
収納してください。
焦げ付いてしまった時は、お湯に浸して
おくと汚れが取れやすくなります。
ステンレスのフライパンはサビる心配が
無く、油ならしも不要です。
調理が済んだら、フライパンが熱いうちに
お湯で洗ってふきんで拭いて、火にかけて
しっかり乾かしてください。
洗う時に中性洗剤を使っても構いません。
ステンレスの難点は、焼きそばやチャーハン
などの炭水化物が焦げ付きやすいこと。
もし、焦げ付いてしまった場合は、
鉄製フライパンと同様、お湯に浸しておくと
取ることができます。
◆ 炊飯器
*内ぶたは盲点
炊飯器はご飯を炊く頻度に合わせて
週1回から数回、お手入れをしましょう。
ご飯が付く内釜や蒸気口は湯洗いをし、
よく乾燥させて戻します。
また、お湯などで濡らして絞ったふきんで
全体を拭きます。
意外と見落としてしまうのが内ぶた。
炊飯の蒸気に含まれたご飯のデンプンが、
ノリ状になってついている場合があります。
臭いが付くとご飯がおいしくなくなって
しまう場合があるので注意しましょう。
◆ 鍋
*焦げ付きには重曹で対応
鍋には鉄製のほかステンレス製、アルミ製、
テフロン加工、ホーロー加工などがあります。
鍋の焦げ付きには、焦げ付いた位置まで
水を張り、重曹を大さじ2杯程度を加えます。
火にかけて10分ほど煮たて、そのまま
冷やしてからスポンジで洗います。
一方、アルミ製に鍋は重曹を入れると変色
するので使用は控えた方がいいでしょう。
クエン酸も、アルミを溶かしてしまいので
使わないでください。
鉄やアルミニウムなどの金属素材の表面に
ガラス質のうわぐすりを焼き付けた
ホーローは中性洗剤を使って洗います。
物をぶつけたり落としたりすると、
チップ(欠け)が生じやすく、そこから
サビができてしまうので、テフロン加工の
鍋よりさらに弱くこするようにしてください。
土鍋は、きちんと乾燥させてから収納すること。
乾燥が不十分だと、土鍋に臭いが付く恐れが
あります。
また、ぬれたまま日にかけると、突然二つに
割れることがあるので注意が必要です。
◆ まな板
*肉、魚を扱った後はまず洗剤で水洗い
まな板は木製のものとプラスチック製の
ものなどがあります。
木のまな板は野菜を切ったくらいであれば
スポンジ洗いで大丈夫。
こびり付きやすいものを切った時はタワシで
洗っても問題ありません。
そして、洗った後は十分乾かすこと。
シンク下などにしまい込まずに、外に出して
乾燥させてください。
気を付けたいのが肉や魚などを扱った場合。
殺菌のために熱湯を使うケースが見られますが、
タンパク質は60度以上で変性して、まな板の
細かい傷に入り込んで取れにくくなって
しまう場合があります。
そのため、肉や魚などを扱った後はまず
洗剤で洗って水で流し、その後に熱湯を
かけるようにしてください。
プラスチック製の場合は、スポンジに
食器用の中性洗剤を付けて洗いましょう。
細かい傷にカビが生えたら酸素系漂白剤を
直接スプレーするか、布などに含ませ湿布を
して消毒します。
肉や魚などを扱った際は、木製のものと同様、
まず水をくぐらせ、その後に熱湯を
かけてください。
◆ 電子レンジ
*油や糖分、みりんの跡は取りにくい
電子レンジは加熱調理した後、扉を閉めて
しまうと汚れの存在を忘れてしまう恐れが
あります。
特に、油や糖分、みりんなどによる汚れは
庫内にこびり付いて取りにくいもの。
ためないように「使ったらすぐ拭く」ことを
心掛けましょう。
5%程度のセスキ炭酸ソーダ水に、薄手の
タオルを浸して絞り、タオルを電子レンジに
かけると庫内に蒸気が充満します。
その後、温めたタオルで庫内と外側を拭いて
いきます。
熱いのでゴム手袋などをしてください。