ネットショッピングやオンラインサービスなどにより、
商品の購入・契約に関する「消費者トラブル」も
多様化してきています。
中には詐欺や脅迫まがいの手口もあり、新成人や高齢者など
特に注意が必要です。
軽率な判断は禁物
日々、発生するさまざまな消費者トラブル。
世代や性別により、その傾向は多少異なりますが、全国の
消費生活センターなどに寄せられた相談件数は、アダルトサイトに
関するものが5年連続でトップです。
例えば「インターネットのサイトにアクセスしたところ、突然
『登録完了』との表示が出て、料金を請求された」といったケースです。
他にも「退会はこちら」との表示をみて業者に連絡したところ、
「支払わないとあなたの勤務先に連絡する」などと脅され、支払いを
迫られる場合もあります。
特に最近は、スマートフォンを使用してのトラブルが多くなってきています。
基本的な対策としては、サイト内のボタンを安易にクリックしない。
決して業者に連絡しないことです。
慌ててお金を支払わないようにしましょう。
不安に思ったら、住んでいる自治体の消費生活センターに相談してください。
どんなトラブルであっても、困ったら家族などに「相談する」ことが大切です。
若い人に多い事例
男性は「金銭」・女性は「美容」
成人を迎えた若者の消費トラブルは、未成年に比べて件数が多く、
契約金額も高額になっています。
特に、未成年のトラブルではあまり見られなかった「サイドビジネス」や
「マルチ取引」「エステティック」についてのトラブルが増えます。
中でも、20代前半の男性の特徴としては、「フリーローンや消費者金融」
「副業」についてのトラブルが上位にあり、金銭に関する問題が多くなります。
学生の場合はアルバイトをしている人も多く、「簡単にお金が儲かる」といった
言葉に乗せられてしまうケースがありますが、多くはマルチ商法まがいのものです。
一方、20代前半の女性は「脱毛」「美顔」「痩身エステ」など、
美容についてのトラブルが増えます。
これには、解約についての知識不足によるものも含まれています。
そこで、若者に多いトラブルを紹介します。
内容を確認せず契約
契約内容をよく確認することなく契約してしまったため、
「思っていた内容と違う」と解約しようとしてトラブルに
なるケースがあります。
また、中には、若者は知識が乏しいことに乗じて、実際には
未成年の時に契約したのに、20歳になってから契約した
ことになっていたという悪質な例もあります。
注意点・・・簡単に解約できない
未成年者の場合、親権者の同意がない契約は取り消すことができますが、
成人になると、未成年者のような保護はなくなります。
そのため、一度、契約を締結すると、原則で自分の都合で簡単に契約を
解除することはできず、代金支払いの義務などが生じます
(訪問販売や電話勧誘販売などでは、一定期間であれば、無条件に解除できる
クーリングオフ制度があります。)
「簡単にやめられると思った」と語る当事者がいますが、契約を結ぶ際は、
責任が伴うことを自覚し、安易な気持ちで契約するのはやめましょう。
「儲け話」に乗ってしまった
ネットで「副業」と検索したり、SNSや友人を通じて儲け話を聞くうちに、
「お金を増やす方法がある」と、高額の契約を結んでしまったケースもあります。
簡単に儲かるからと、高額な商品を購入させられる場合、誰かを紹介することで
儲けを増やすといったマルチ商法であることが少なくないので、注意が必要です。
注意点・・・うまい話しに飛びつかない
容易に大金を稼げることはまずあり得ません。
「簡単にお金が入る」「絶対に儲かる」というのは、一番危険な言葉です。
甘い言葉に惑わされず、家族や信頼できる友人に相談するなど、冷静に
考えるようにしましょう。
困ったときは消費者ホットライン188番
契約や解約などについて業者とトラブルになった場合は、
消費生活センターホットライン「188」番に相談してください。
最寄りの消費生活相談窓口に案内案内してくれます。
どこに相談したらいいか分からない場合でも、一人で悩まず、
まず連絡をしてください。
契約によっては、取り消しや解約ができる場合があります。
せかされて断り切れず
業者からしつこく勧誘を受けて断り切れず、結果として必要のない
商品やサービスを購入したり、不必要な契約をしてしまい、
高額な契約金を支払ってしまったという例があります。
注意点・・・その場でサインしない
業者にせかされるままに契約をすることは、非常に危険です。
「ほかにも欲しがっている人がいる」などと言ってせかされ、
考える時間を十分に与えられない場合があります。
支払う金額が高額であるほど、慎重に判断しましょう。
不必要な契約であれば、きっぱりと「断る勇気」が大切です。
迷った場合も、その場で判断せず、安易にサインしないように
しましょう。
勧められてクレジット払いに
「契約は高額だけど、分割払いにすれば月々の負担は少ない」と
言われて、高額なクレジット契約を結ばれる事例が後を絶ちません。
また「お金がない」と断っても、契約代金を支払うために消費者金融
などでお金の借り方を指南され、借金をさせられるケースもあります。
さらに、副業の先行費用として高額な商材の購入を勧められ、その
支払いのために言われるままにクレジット契約や借金をしてしまった
例もあります。
注意点・・・借金してまで必要か熟慮を
「月々の負担は少ない」などと言われても、安易に高額な契約は
しないようにしましょう。
自分の支払い能力を超えた借金は、今後の生活に支障を来たします。
借金してまで契約する必要があるのか、よく考えましょう。
高齢者の被害
高齢者の場合は自宅にいることが多いため、電話での勧誘や訪問販売
による被害に遭いやすい傾向があります。
最近では、アダルトサイトの登録による料金請求の相談やインターネット
通信販売に関する相談も多くなっています。
電話勧誘販売
販売業者が自宅に電話をしてきて、商品やサービスを販売する方法。
虚偽説明や説明不足などの問題が多く見られます。
訪問販売
業者が自宅に訪問して販売する方法で、長時間にわたり居座ったり、
強引に勧誘をしたりするケースが目立ちます。
注意点・・・必ず周囲に相談
高齢者の場合、老後のことを考え、「必ず儲かる」といった「お金」についての
セールスを信じてしまう傾向があります。
また、「健康」のついても関心事のため、健康食品、電気治療器などを
購入させる手口も多くあります。
高齢者の「孤独」につけ込むものもあり、高齢者の話相手になるなどして
近づき、親しくなるうちに、相手を信用させて、次々と契約を繰り返させる
ケースが目立ちます。
必要のない場合は、はっきり断りましょう。
国民生活センターでは高齢者の被害を防ぐ秘訣を紹介しています。
もし被害に遭い、身に覚えのない請求をされても、慌てて支払わないことが
肝心で、自分だけで判断しないようにしましょう。
少しでも疑問や不安を感じたら、家族や周囲の人、最寄りの消費生活センターに
相談してください。
高齢者のための財布を守る秘訣
さ・・・誘い文句にのせられない
い・・・家の戸、財布にしっかり鍵かけて
ふ・・・不審な人には注意して
を・・・お断り上手になりましょう
ま・・・まずは、家族や消費生活センターに相談
も・・・もしもの時に備えて、成年後見制度を利用
成年後見制度=認知症などで判断能力が不十分な人を
支援する制度
る・・・留守番、一人暮らしもこれで安心
国民生活センター
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