日本人の約3割はかかっていると
いわれる花粉症。
春はスギやヒノキの花粉が多く飛散して、
クシャミや鼻水、目がかゆくなるなどの
症状に悩む人も多いのではないでしょうか。
家庭でもできる花粉症の対策を
まとめてみました。
花粉症はどうして起こる?
花粉症は、体内に浸入した花粉を異物と
認識して、この異物(抗原)に対する
抗体を作り、再度浸入した花粉を排除
しようとする「免疫反応」です。
一般的には、免疫反応は体を守る良い
反応です。
しかし、反応が過剰になり過ぎると、
生活に支障が生じてしまいます。
身体にとってマイナスに働いて
しまう反応がアレルギーになります。
花粉が体内に入ってもすぐ花粉の症状が
出るわけではありません。
体の中に花粉が入ると、その花粉(抗原)
によってIgE抗体が形成されます。
(花粉によって異なる抗体が形成)
花粉を数年から数十年浴びると、
やがて抗体が十分の量になります。
この後、再び花粉が体の中に入ってくると
花粉を排除しようとして、くしゃみや鼻水
などのアレルギー性鼻炎、涙目などの
アレルギー性結膜炎の症状が出るのです。
つらい症状を防ぐための対策
【 外出を控える 】
スギ花粉は、飛散が始まってから4週間が
花粉の多い時期にあたります。
特に、晴れて気温が高い日、空気が乾燥し
風が強い日、雨上がりの翌日などが
多くなります。
また、スギ花粉が多くなる時間帯は、その日の
気象条件や季節によって変わりますが、
一般的には、昼前前後と日没後に多い
傾向があります。
これは、気温が上がって午前中にスギ林から
飛び出した花粉が数時間後に都市部に
到達するためと、上空に上がった花粉が
日没後に地上に落下してくるためと
考えられています。
花粉が多い日や飛散の多い時間帯は不要な
外出をなるべく控えることで、症状を
抑えることができます。
また、新聞やテレビ、インターネットの
花粉情報サイトなどで飛散量を確認しましょう。
詳細はこちら
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)
http://kafun.taiki.go.jp/map.aspx?Area=01
【 掃除の励行 】
室内に入った花粉は湿気を吸って、すぐに
床に落ちてしまいます。
ところが人が歩いたりするたびに、また花粉が
舞い上がり、吸い込んでしまうため、花粉症の
症状が出てしまいます。
そこで室内では、床に落ちた花粉を掃除機や
ぬれた雑巾で取ると効果的です。
また、部屋が汚いと、花粉がいたるところに
隠れることができてしまいます。
整理整頓し、掃除をするときは、部屋の中央
だけでなく、四隅や家具の上などもキレイに
するようにしましょう。
カーテンは、気が付かないうちに意外と多く
花粉が付いています。
丸洗いできれば理想的ですが、できない場合
カーテンに掃除機をかけたり、粘着テープなど
使ったりして花粉を取り除きましょう。
【 戸や窓を閉める 】
花粉飛散シーズンに窓を全開にして換気すると、
大量の花粉が室内に流入します。
環境省の「花粉症環境保健マニュアル」
によると、3LDKのマンション1戸で、
1時間の換気をする実験を行った場合、
およそ1000万個もの花粉が屋内に流入
したといいます。
花粉の飛散が多いときは、窓や戸を開けず、
洗濯物や布団などを外に干さないことで、
症状を抑えることが期待できます。
【 対策グッズの活用 】
花粉症の予防と症状の軽減のためには
「花粉を浴びないこと」。
外出時、視力の悪い人は、花粉が飛び交う
時期は、コンタクトよりもメガネの方が
効果的です。
コンタクトレンズを使用していると、
花粉がレンズと結膜との間でこすれる場合が
あります。
メガネは、横からの花粉の侵入を防ぐゴーグル
タイプの方が、より効果があります。
視力に障害がない場合、いわゆる“ダテメガネ”
でも有効です。
参考までに
花粉症対策メガネ
また、マスクは花粉の侵入を防ぐのに有効。
風邪の予防、粘膜の乾燥防止にも役立ちます。
装着する際には、鼻と頬にマスクがきちんと
密着するように。
長時間着用しても苦しくない、自分に合った
素材を選ぶことも大切です。
マスクの外側には花粉が付着するので、
使い捨てのタイプがおススメです。
【 サラサラした素材の服装 】
花粉は洋服にも付着します。
表面が、けばけばした毛織物などの
コートは着用を避けましょう。
一般的に、ウール製の衣類などは木綿や
化繊に比べて花粉が付着しやすいと
いわれています。
また、同じ繊維でも、織り方や用途に
よって、花粉の付着の程度が大きく
異なる場合があります。
「素材による花粉付着率」
綿を100とした場合、
ウールは980にもなります。
(東邦大学の調査)
花粉が付きにくい、表面がすべすべした綿か、
ポリエステルなどのサラサラした素材の
洋服を着て外出するといいでしょう。
参考までに
男性用花粉症対策コート
女性用花粉症対策コート
【 洗顔・うがい 】
花粉は屋内に持ち込まないことが基本です。
衣服についた花粉は、屋内の花粉飛散の
原因になるので、十分にはたいてから、
家や会社などに入るようにしましょう。
また、屋内に入ったら、まず手洗いと
うがい、洗顔を心掛け習慣にする
ことも大事です。
鼻の粘膜には線毛があり、粘膜の上の
異物を輸送します。
うがいは、線毛の運動などによって
喉に流れた花粉を除去するのに
効果があります。
マスクとメガネの効果
マスクの着用は、吸い込む花粉量を
3分の1に減らします。
また、花粉症用マスクの場合は
約6分の1に減少させ、鼻の症状を
軽くする効果があります。
マスクを付けた時、横に隙間ができると
そこから花粉が入ってしまうので、
顔に合ったもの、また、息をしやすい
ものを選ぶことが推奨されます。
また、マスクの内側にガーゼを当てる
ことで、鼻に入る花粉がさらに減少
することが分かっています。
メガネを装用すると、メガネを使用
しない場合に比べ、結膜に付く花粉は
およそ40%減少します。
防御カバーの付いた花粉症用のメガネは
およそ65%も減らすことができます。
≪ 花粉症用の商品が開発 ≫
つらい症状を軽減するために、
さまざまな商品が開発されています。
例えば、紳士服メーカーではこれまでも
撥水加工を施して花粉が付きにくく、かつ
落ちにくいコートを開発。
また、現在では洗えるスーツのほか、糸と糸の
隙間を小さくして表面の凸凹を無くして
花粉を付着しにくくしています。
メガネの分野では、フレームのカーブを
より顔にフィットするように設計し、普通の
メガネに近い見た目でも、花粉カット率を
最大98%とうたった製品や子供向けの
花粉症用メガネも開発されています。
花粉症は朝起きてすぐが症状がきつく、
「モーニングアタック」と呼ばれています。
寝る前に室内にスプレーすることで花粉を
凝縮させ、舞い上がりを防止する製品が
できています。
参考までに
花粉対策スプレー