健康への関心が高まる中、体に必要な栄養素が豊富に含まれ、
老化防止に効果的な「アンチエイジングフード」に注目が
集まっています。
その代表的な食材を紹介したいと思います。
身近なアンチエイジングフード
寿命や健康を左右する原因の75%は生活習慣で決まると
言われています。
最近ではサプリメントも充実していますが、根本は正しい食生活と
食習慣にあります。
それらを見直すことで、生活習慣病をはじめとした大病を予防できます。
正しい食事を考える上で話題になっているのが「アンチエイジングフード」。
抗加齢や老化防止を意味する言葉ですが、さまざまな食材には、
アンチエイジング効果があります。
老化防止に効果的な食材
【 リンゴ 】 皮ごと食べる
朝食に果物を取り入れる。
果物は全般的に水分が多いので、利尿によるデトックス(解毒)効果が期待できます。
厚生労働省では、生活習慣を予防し、健康を増進するために、果物を1日に200㌘
摂取することを薦めています。
統計によると、一般的に必要な摂取量の半分を少し上回るぐらいしか取れていません。
しかし、リンゴは中ぐらいのものでも230㌘あり、たった一個で1日分の必要量を
取ることができます。
リンゴには、プロアントシアニジンやカテキンというポリフェノールが高濃度で
含まれていて、これらは体内細胞を酸化させ、老化やいろいろな病気を引き起こす
活性酸素の除去に効果を発揮します。(抗酸化作用)
これらのポリフェノールは皮の下に最も多く含まれるので、効果的に摂取するには
よく洗った上で皮ごと食べるのがおすすめです。
さらには、抗酸化作用のあるビタミンCや疲労回復を助けるクエン酸など、さまざまな
ミネラルも豊富に含まれています。
【 納豆 】 血液をサラサラに
納豆やオクラ、山芋などネバネバとした食材には、粘りのもとになる成分が
含まれています。
これには、糖質の吸収を抑え血糖値の急激な上昇を抑制します。
これらを習慣的に食べることで、インスリンというホルモンの働きが良くなり、
糖尿病の予防や低血糖症に効果が期待できます。
さらには、細胞を活性化してくれるので、老化を防ぐ働きもあるのです。
毎日の朝食にネバネバ食材を取り入れてはいかがでそうか。
特に納豆には、ナットウキナーゼという成分が含まれており、血液をサラサラに
してくれる効果があります。
また、納豆のような発酵食品は発酵が進むと消化が良くなり、栄養素が吸収しやすく
なるほか、栄養価を高めたり食材に含まれる成分が菌と反応して、新たな成分を
生み出したりします。
そのことによって、体内を活性化したり、不要な物質を排出したりしてくれます。
【 サケ 】 認知症の予防に効果
サンマやアジなどの青魚に、脳の老化を防ぐDHAや動脈硬化を防ぐEPAが多く
含まれているのは有名です。
その上で、抗加齢という目的でおすすめするのがサケです。
サケの赤い身はアスタキサンチンという天然色素。
これには強力な抗酸化作用があるため、細胞の老化を防ぐとともに、認知症予防の
効果も期待されています。
その他、ビタミン類(A、B2、D、Eなど)も豊富なため、特に中高年の生活習慣病を
防ぐには最適です。
【 トマト 】 抗酸化力が強い
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なため、野菜売り場に並ぶ食材を毎日
バランス良く食べれいれば、体の機能を維持する栄養素のほぼ全てを補えます。
特にトマトは注目です。
野菜や果物などの天然色素をカロテノイドといいますが、その一つであるリコピンが
トマトの赤い色素になっています。
リコピンの抗酸化力は、抗酸化作用のあるビタミンEの100倍以上。
老化の原因とされる活性酸素を無害化するだけでなく、紫外線によるメラニンの
生成も抑制してくれます。
生のトマトには、免疫力を高め、血管や粘膜を健康に保つ働きがあるビタミンCも
豊富に含まれており、1日1個は食べたい野菜です。
【 ブロッコリー 】 栄養豊富 野菜の王様
野菜には体に欠かせない栄養素が豊富にありますが、最近、野菜の栄養素として
注目されているのがファイトケミカル(植物科学物質)です。
日光を浴びて生育する野菜は、紫外線など有害なものを遮断したり、無害にしたり
しながら成長していきます。
そうした働きの一つがファイトケミカルです。
さまざまな野菜に数千種類あるといわれていますが、200種類以上のファイトケミカルを
持っているのがブロッコリーです。
抗がん作用が期待されているファイトケミカルのほか、抗酸化作用のあるカロテンや
ビタミンC、葉酸や鉄分など、さまざまなビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富にあり、
まさに” 野菜の王様 ”といても過言ではありません。
【 卵 】 健康支える 万能食材
健康によい食材はたくさんありますが、何といっても卵がおススメ。
卵は鶏のヒナがかえるために必要な栄養素がそろっているため、人間が必要としている
栄養素がほとんど含まれています。
以前は”コレステロールが比較的に多いため、1日に1個か2個まで”といわれていましたが
これは誤りで、食事でのコレステロールは気にしなくてもよいことが明らかになっています。
厚生労働省でもコレステロール摂取の上限値を定めていたのを撤廃しました。
卵のいいところはたくさんあります。
例えば、卵黄に含まれている成分のレシチン。
悪玉コレステロールの除去を促したり、認知症予防の効果も期待されています。
また、体をつくる栄養素であるタンパク質、認知症やがんの予防に役立っているリコンという
ビタミン様物質(ビタミンと同様の作用をもつ成分)も含んでいる。
アルツハイマー型認知症のリスクを低下させるビタミンD、体の免疫力を高めるリゾチームもあり、
まさに万能食材といえます。
食べ方を見直して老化防止
食生活のポイント
≪ 腹八分を心掛け・理想は腹七分 ≫
満腹まで食事をすると、消化器系に大きな負担が掛かります。
その解消法として、腹八分を心掛け、腹七分を理想としてください。
いきなり七分目は難しいという人は、日頃食べている量の一割減を目指してみてください。
≪ バランスの良い食事 ≫
糖質を抑え、その分タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養はきちんと取りましょう。
そのためには、魚、肉、野菜、豆などの食材のバランスを整えれば、
自然と栄養のバランスも整います。
≪ 炭水化物を取り過ぎない ≫
太る原因であり、不要な栄養である糖質を避けることが健康への近道です。
特に白米や白パンといった精製された主食は極力抑えたいところです。
玄米など未精製のものを少量にすることがおススメです。
アンチエイジングとしてなら、糖質の摂取は1日120㌘までを目安に。
≪ 空腹の状態を作る ≫
1日3食をたっぷり食べる人は、1日の中で空腹を感じることがほとんどありません。
しかし、空腹の時間こそ老けない体を作るための大切な時間になります。
空腹は、長寿遺伝子が活性化している証です。
≪ 午後8時までに夕食を終える ≫
寝る前にお腹の中に食べ物があると、体内は消化活動を行っている状態にあり、
睡眠の妨げになる上、消化も悪くなります。
また、夜中の食事は消化・吸収の時間が少なくなり、肥満につながります。
そのため、朝や昼よりも軽い食事を午後8時前に食べ終えるのが理想です。
もし残業などで食事の時間が遅くなる場合は、午後5時ぐらいまでに軽食を済ませ、
帰宅後の食事はできるだけ軽くしましょう。
≪ ゆっくり咬んで時間をかける ≫
満腹中枢に「お腹がいっぱいだ」という信号が届くには20分くらいかかるため、
満腹中枢が働きだす前に食べ終わってしまうのでは、結果的に食べ過ぎてしまいます。
そのため、ゆっくり咬んで時間をかけて食べるのが大切です。
コツとしては、一口で30回くらい咬むようにしましょう。
そうすると、食べ物が消化しやすくなり、脳の血流も増えて
アンチエイジング効果が高まります。
≪ 野菜から食べる ≫
食事はまず野菜から食べましょう。
食物繊維は牛肉などの動物性脂肪に吸着して体の外に出す働きがあるほか、
食事の時に上がる血糖値を抑制する効果があります。
≪ 肉は食べ過ぎず 魚は積極的に ≫
魚にはEPAやDHAなど脳の活性化や老化防止、動脈硬化の抑制など、
健康長寿に役立つ栄養素がたくさん含まれています。
肉は食べ過ぎず、意識して魚を取るようにしましょう。