今、話題の「豆苗」。
安定して収穫できるため、他の野菜の
価格高騰に伴い、人気が高まっています。
栄養価が高く、自宅で再生栽培できる
ことも人気の理由です。
豆苗について、少し触れてみたいと思います。
どんな栄養素が?
◆女性にうれしい効果◆
比較的に安価で販売されている豆苗は、
体内の代謝に重要な働きをするビタミンが
豊富です。
例えば、50㌘
(市場で販売される豆苗1パックのおよそ½)で、
大人の女性が1食で取るべきビタミンKを十分に、
ビタミンA、葉酸、ビタミンCを半分以上も
摂取することができます。
ビタミンKは、出血時の血液凝固を促進するほか、
骨の形成を助ける働きがあるため、骨が弱く
なりがちな中高年の女性に特に大切な栄養素。
ビタミンAやCは、老化の原因といわれる
活性酸素を除去する作用があるため、
若々しさを保つ効果が期待できます。
葉酸は、赤血球の形成に不可欠なビタミンで
DNAの合成を助け、成長を活発化させる働きが
あるため、妊娠中や授乳中の人は、特に
意識して取り入れたい栄養素です。
◆「葉物野菜」と「豆」の両方のメリット◆
えんどう豆の若い葉と茎を食べる
葉物野菜である豆苗。
そのため、「葉物野菜」と「豆」の栄養素の
両方を併せ持つ、極めて優れた野菜です。
例えば、葉物野菜に多いビタミンCは、
小松菜の約1.7倍も含んでおり、豆類に多い
タンパク質やビタミン群(B1,B2,B6)は、
小松菜に比べ、2割以上も多く含んで
いるのです。
◆体内の燃焼を促す◆
豆苗に豊富に含まれるビタミンB1,B2,B6、
ナイアシン、葉酸、パントテン酸といった
ビタミン群は、代謝を上げる働きがあり、
糖質や脂質、タンパク質を燃やすために
不可欠な栄養素です。
また、食物繊維も多くあるため、腸内細菌の
バランスを改善し、有害物質の発生による
エネルギー代謝の低下を防ぐ力も期待できます。
保存方法は?
ベストな保存方法は、「未開封」で冷蔵庫に
「立てた状態」で保存することです。
未開封であれば、冷蔵庫でも、少しだけ
温度設定が高めの野菜室でも構いません。
しかし、調理の使い残しを保存する場合は、
野菜室ではなく、より冷えている
「冷蔵室」に保存しましょう。
ただし、冷気が直接当たる場所に置くのはNG。
葉が凍って傷んでしまう恐れがあります。
再収穫のコツ
豆苗の魅力は、栄養価が高いだけでなく、
再収穫できること。
7日~10日くらいで食べられる状態まで
成長します。
お子さんと一緒に育てれば、自らの手で
育て食べることで、「食育」にもつながります。
「自分で育てた」という気持ちが、食への
興味につながり、野菜嫌いを克服したといった
例もあります。
① 脇芽を残す
再生栽培を見据えて調理でカットする場合は、
脇芽を残すことがポイント。
豆苗は、根元に二つの芽があり、これが脇芽です。
ここから、植物が新たに芽を伸ばしていくのです。
② 日当たりのいい室内に置く
豆苗を置いておく場所は、キッチンの窓側など
「日当たりのいい室内」に置きましょう。
そうすると、全体的に葉が大きく、
緑も濃く育ちます。
直射日光が当たるかどうかは、成長に
さほど関係ありませんが、暑過ぎても
寒過ぎても上手に育ちません。
夏場は直射日光を避けて明るい室内で、
冬場は人が過ごすのに快適な温度であれば
問題ありません。
寒過ぎることのない所に置くようにしてください。
ベランダなどの屋外に置いて栽培することも
できますが、天気に左右されて成長が遅くなったり、
葉や茎が硬くなり食感が落ちたり、虫が付いたり
する心配があります。
③ 1日に1回水を替える
水を入れ替えて、常にきれいな水にして
おくことも大切です。
そのため、夏は1日に2回、冬は毎日1回の
水を替えをしましょう。
水は根だけ浸る量を入れるのがポイント。
豆まで浸ってしまうと、豆が腐る原因になります。
水替えは、減った分の水を追加するのではなく、
残った水を捨て、新しい水を入れるように
してください。
◆何回まで成長する?◆
おおむね2回程度です。
豆苗は強い再生力を持ち、おおむね2回までは
再収穫できます。
しかし、3回目以降は、再生するための脇芽が
無くなり、種に残っている養分も少なく
なるため、成長が弱くなります。
さらに、夏場は容器内の水温が上昇するため、
豆が腐ったり、カビが生えたりする恐れもあり、
1回程度にしておくといいでしょう。