“山歩きをしてみたい„と思っても
その一歩を踏み出すにはなかなか
勇気がいるものです。
初心者でも安全で快適に山歩きを
楽しむポイントです。
山頂を目指さなくても楽しめる
◆ 高くなるほど涼しい
“夏の山歩き”と聞くと、どんなことを
イメージしますか?
経験のない人に聞くと、大抵が
「暑そう」と答えます。
実は、夏山はとても涼しく、気持ちよく
過ごすことができます。
一般的に、高度が100㍍上がるごとに、
0.6度下がるといわれます。
富士山(吉田ルート)の5合目だと、標高
2300㍍なので、気温は10度以上
低くなります。
近年では、酷暑の影響で、標高100㍍でも
30度を超える山はありますが、基本的には、
標高が高ければ高いほど、涼しくなります。
冬の間は雪に閉ざされ、初心者では登れない
場所まで行けるのも、夏山の醍醐味です。
ただし、標高が高くなる分、日差しの強さは
増していくので、日焼け対策は必須です。
山歩きは登山と違い
“山頂を目指さなくても楽しめる”
ことが魅力の一つです。
美しい景色を望みながら、おいしい
コーヒーを飲む。
温泉に漬かる。
そういった楽しみ方ができます。
最近では、地域の自然や文化に触れながら
長い距離を歩く「ロングトレイル」という
スタイルが、人気を集めています。
緑豊かな自然、頬をなでる心地よい風。
マイナスイオンに包まれて、体も心も
リフレッシュできますので、ぜひ山歩きに
チャレンジしてみてください!
何から始める?ここがポイント
◇ まずは山選び
山歩き初心者には、山岳クラブやスポーツ
用品店が企画・提供しているツアーが
お薦めです。
登山ガイドが案内してくれるので安心です。
女性限定コース、アウトドアクッキングを
盛り込んだコースなど種類も豊富にあり、
一人で参加している人もたくさんいます。
地域や内容を確認し、興味があるツアーに
参加してみましょう。
“自分で自由に歩きたい”そんな初心者に
お薦めなのが、夏のスキー場です。
ロープウェイやリフトで標高2000㍍
ぐらいまで一気に上がって、散策できます。
夏場はフラワーガーデンに姿を変える
スキー場もあり、花を愛でながらという
のも一興です。
山選びは、自分の体力やレベルに合わせ、
登山者が多い山や人気のコースを
選びましょう。
混雑しているかもしれませんが、登山道や
トイレが整備されているので安全です。
万が一、山へ行く当日に体調を崩した場合は、
絶対に無理をしないでください。
◇ 登山靴は疲れを軽減
まずは登山靴を用意しましょう。
足の疲れを軽減し、滑りやすい岩場やぬかるみ
でも快適に歩けます。
アウトドアショップのスタッフに、
登山の目的と登る山を伝えれば、お薦めの靴を
紹介してくれます。
道が整備されていて、短時間コースなら、底の
厚い履き慣れたスニーカーでも構いません。
服装はなるべく速乾性があり、通気性に
優れたものにしましょう。
特にアンダーウェアの素材は、綿だと汗を吸うと
乾きにくいので化繊を選びます。
ケガや虫刺されを予防するには、長袖長ズボンは
有効です。
半袖の場合はすぐに羽織れる長袖を持参。
半ズボンなら、下に必ずタイツを着用
しましょう。
◇ バッグはお店で試してから
バッグは、両手が自由に動かせるリュック、
できれば登山用ザックがベストです。
雨対策として防水カバーも用意して
おきましょう。
長い距離を歩く場合は、胸と腰にベルトが
あると、ずれにくく、歩きやすいです。
インターネットでも購入できますが、
背負い心地やフィット感は、お店で試して
みないと分かりません。
靴とレインウェアとバッグは最低限
必要ですが、全てそろえるのは大変です。
登山グッズのレンタル専門店で借りてみても
よいでしょう。
◇ レインウェアは必須
レインウェアは必ず持参してください。
山の天気は変わりやすく、突然、雨が
降ることはよくあります。
標高が高く、気温の低い場所にいる時に服が
濡れると、急激に体温が奪われ、命取りに
なりかねません。
常に“雨が降るかもしれない”と考えて、
準備することが大切です。
レインウェアを選ぶポイントは、防水性に
加え、透湿性です。
透湿性が低いと蒸れて余計に汗をかき、
服が濡れてしまうことがあります。
機能性を備え、色や形、デザインが気に入る
ものを探してみましょう。
◇ 元気が出るおやつを持参
疲れた時や小腹がすいた時、すぐ食べられる、
カロリーや栄養価が高いおやつを持参
するといいでしょう。
普段食べ慣れていて、元気が出るお菓子が
少量あれば十分です。
チョコレートやクッキー、ドライフルーツなど
お薦めです。
水分もおやつと同様、普段飲み慣れているもの
を持参してください。
トイレに行く回数を減らそうと水分摂取を
控えてしまうと、脱水症状になりやすいので、
水分はきちんと取りましょう。
いずれも、往復2~3時間程度の山歩きの
場合です。
◇ 下調べを入念に
トイレの位置は、登山マップに記載されて
いるので、事前に確認しておきましょう。
休憩所や山小屋の場所、コースごとの
所要時間も記載されています。
設備環境は山によって違うため、下調べを
しておくと安心して臨めます。
温泉で疲労回復
山歩きの後はなるべくお風呂や温泉などに
漬かり、足をしっかり揉みほぐしましょう。
体が温かいうちに温泉に入ると、疲労が
一気に抜けていくように感じます。
また、山歩きで秘湯を探すことも
楽しみの一つではないでしょうか。
山の温泉にはバスタオルなどは用意されて
いないので、フェイスサイズのタオルが
あると便利です。
また、下着の着替えがあれば、入浴後も
気持ちよく過ごせます。
山歩きと温泉、セットで楽しんでみて
ください。
注意しよう!
山歩きは街歩きと違い、天候や気温の
急激な変化があるため、侮れません。
事前に天気をチェックした上で、地図は
必ず持参。
コンパスも用意できれば、なお良いです。
早いと思うかもしれませんが、午後3時には
下山できるように。
夕立など天気の急変が起こりやすいからです。
山歩き中に体調を崩した場合は、ちゅうちょせず
すぐに引き返しましょう。