近年、エコバックやマイボトルの持参など
簡単かつ資源を無駄にしない節約術が
定着してきました。
数円のビニール袋や約100円のお茶など
1日単位で考えるとわずかな節約ですが、
年間を通すと大きな差に。
さらに、その小さな努力が環境を守る
行動にもなります。
寒くなるこれからの季節に向けて心得て
おきたい節約のポイント。
エコにもなる節約術
◆ ポイントは“効率„
「毎日節約を心掛けて
いるのに成果が見られない」
そんな方は、節約のポイントを見直す
必要があるかもしれません。
大切なのは、実践している節約が、
効率的かどうかということです。
例えば、光熱費の節約の場合
「電気を小まめに消す」
「水を出しっ放しに気を付ける」など
電気、ガス、水道を項目別に考えがち
ですが、個別で考えられるもの
ばかりではありません。
蛇口からお湯を出した時、水道代と
ともに、ガス代や電気代がかかるように、
互いに切っても切り離せない関係に
あるからです。
電気代だけに注目して節約を考えた
場合も、スマートフォンの充電と、
エアコンの使用とでは、同じ時間でも
電力の消費量は全く違います。
そこで着目すべきは、家庭の中で
“発熱する”もの。
これからの季節でいうと、エアコンなどの
「暖房器具」と「給湯」。
これらはエネルギー消費が大きいだけに、
実は削減できる部分が多いのです。
ここに注力すれば、必ず節約を実感できます。
◆ お湯の使用は水の3倍
普段、何げなく使っている「給湯」の
見直しが、節約の第一歩です。
お湯を沸かす時のエネルギーは、思った
以上に大きいもの。
例えば、蛇口から1分間、水(20度)と
お湯(45度)を出した場合(12㍑)、
水だと約2.7円、お湯の場合は約9円に
(資源エネルギー庁
「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」)。
3倍のコスト差が生まれます。
もちろん、電気の場合やガスの場合、
さらには深夜給湯などのシステム差も
あるため一概には言えませんが、お湯の
使用に気を付ければ、大きな節約に
つながることは確かです。
電気ポットや炊飯器の保温についても同様。
温かい温度を維持し続けるにはコストが
かかります。
お湯をあまり使わない場合は、その都度
沸かした方がお得です。
大量に使うなら、沸騰したお湯を
魔法瓶などのポットに。
長時間熱湯のまま保温できます。
ライフスタイルに合わせて使い分け
ましょう。
◆ 暖房器具の使い分けを
「暖房器具」について考えてみましょう。
家庭の電力使用量のうち、エアコンは
約25%を占めています。
エアコンを使う場合、部屋に複数人いるなら
暖房効率はいいですが、もったいないのは
1人で使う場合。
こういう時は、思い切って、エアコンを
切るというのも選択肢に入れましょう。
さまざまな種類の暖房器具をうまく使うのが
ポイントです。
暖房器具は、大きく分けて三つ。
エアコンのように温風を送る「対流式」、
ハロゲンヒーターなど熱を放出して温める
「輻射式」、そしてカーペットなど
直接触れて効果があるものは「伝導式」です。
キッチンに立つ時は輻射式、1人で勉強する
ときは伝導式で十分です。
ちなみに電気膝掛けは、肩に掛けたり腰に
巻いたり、持ち運びにも便利。
当たり前のようですが、状況に合わせて
きちんと暖房器具を選べば、思った以上に
節約効果が得られます。
◆ 省エネ家電の見直しも
省エネ家電への見直しも、長い目で見ると
大きな節約につながります。
例えば、冷蔵庫は、大きな冷蔵庫でも、
小さな冷蔵庫より消費電力が小さいものも。
安い買い物ではないので、壊れたときに
慌てて買わないよう、使用10年を過ぎた
場合は、購入も視野に入れて、価格や性能を
調べてみるのもいいでしょう。
買い替えると環境に悪いイメージがあるかも
しれませんが、家電の使用時における
エネルギーは、製品の製造廃棄に掛かる
エネルギーの10倍以上とも。
古い製品を使い続けることが節約とは
限らないのです。
家電を買い換える際は、省エネ家電を
比較できる「しんきゅうさん」を参考に
してもいいでしょう。
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/
家計が潤いエコにもつながる効率のいい
節約術で、負担をかけずにこれからの寒い
季節を乗り切りましょう。
暖房を使わない工夫
◇ 窓の冷気をふさぐ
部屋を冷やすのは、窓から入ってくる外気。
カーテンを厚手の生地や、床に引きずる
くらい長い丈にしましょう。
こうするだけで、冷気の流入をかなり
防ぐことができます。
簡易的に、クッションやタオルなどで、
カーテンの隙間を埋めても効果があります。
◇ 部屋の加湿を
湿気は体感温度を上げてくれます。
40%~60%の湿度が適当。
加湿器を使うなら、一般的に、湿度が低いと
自動的に運転する「気化式」がおススメ。
急激な加湿には向いていませんが、
最低限の電力で最適な湿度にしてくれます。
簡易的に、濡れタオルや洗濯物を部屋干し
してもOK。
カーテンを丸ごと洗って部屋に干すのも、
大胆ですが一つの手です。
◇ 3つの首を温めよう
「首、手首、足首」は動脈が皮膚に近い
位置にあり、温めると温かい血液が全身に
回るので、体がポカポカします。
ここで気を付けたいのが、女性の中に
「寒いから靴下をはいて寝る」という方。
足先よりも足首を温めた方が断然温かく
なるので、靴下よりもレッグウォーマーが
おススメです。
その認識あってますか?
* 冷蔵庫は詰め込むと
電気代が高くなる?
〈 Yes 〉
詰め込み過ぎると冷気がうまく循環せず、
余計な電気代が。
多くても7~8割。
理想は5割以下です。
ただし、冷凍庫はぎっしり詰まっていた方が
お得です。
* エアコンの風量設定は
「弱い」にした方がいい?
〈 No 〉
「自動」が正解。
風量が弱いと、エアコン本体が設定温度に
近づけようとフル稼働に。
効率が悪くなってしまいます。
状況に応じて最適な風量にしてくれる
「自動」に設定を。
* 炊飯器の保温は丸一日で
炊飯一回分と同電力?
〈 No 〉
約10時間です。
ご飯を朝炊いて夜食べる時、新たに炊いた
方がお得な場合が。
半日程度ならスイッチを切って常温保存、
それ以上なら冷凍保存を。