コミュニケーションが上手だと、
学校でも職場でも、自分の能力を
発揮しやすくなります。
コミュニケーション力を高めるために
大切な「聞く力」「話す力」を家庭で
どのように高められるでしょうか。
聞く耳モード
コミュニケーションでは、話し上手になる
のが大事だと思われるかもしれませんが、
聞き上手になることの方が大事です。
聞くとは話している相手を大事にすること。
人はちゃんと聞いてもらえるとうれしいもの。
そこから信頼が生まれ、相手との
コミュニケーションがスムーズになります。
聞く姿勢が身に付いたら今度は、自分の
話しを聞いてもらう体験もさせます。
相手が途中で口を挟まずに、じっくり
聞いてくれると、話しやすいことが
分かります。
逆に、伝えたいことを最後まで聞いて
もらえないと、悲しい気持ちになる
ことも実感できます。
家庭でも、まずは親自身が子どもの
話しを聞くことを大事にしてほしい
と思います。
聞く耳モードとは
① 相手の目を見て
② 一生懸命
③ うなずきながら
④ 笑顔で
⑤ おへそを向けて、おしまいまで
聞こうとする状態
話す力はどのように磨けばよいのか
最近の子どもは、自分の気持ちや考えを
伝えるのが苦手な子が多いようです。
これでは社会に出たら思うように活躍
しづらいでしょう。
話す力を付けるには、まず自分が何を
感じているのかを言葉にしてみること
から初めてみましょう。
親子間の会話の中では、二者択一で
子どもに聞くようにしてください。
例えば、「犬と猫、どっちが好き?」と。
二者択一で問い掛けられると、子どもは
自分の心をのぞき、
「自分はどう思っているのか」を
考えることができます。
選ばせた上で、
「どうして?」と、
好きな理由も含めて聞くようにしてください。
理由を説明しようとする中で、自分なりの
考えを論理的にまとめて伝える練習にも
なります。
自分のことは自分しか分かりません。
自分を考える習慣は、将来、進路や悩みなどの
課題にぶつかり、選択を迫られた時に
大きな力を発揮するでしょう。
察しない親に
◇他に家庭で心掛けてほしい点
「察しない親になろう」という点です。
関係の距離が近い分、親は子どものことを
分かっているつもりになり、先回りして
面倒をみてしまいがちです。
例えば、レストランなどで、子どもの分の
メニューを親が選んでしまうのもそうです。
「うちの子は牛乳より、ジュースが好きだから」と
子どもに聞かずに親が頼んだりする。
子どもの成長という点では、これはもったいないです。
子どもの気持ちを察することをあえてしないで、
まず子ども自身に選ばせてほしいです。
選ぶことを通して、子どもは頭の中で、
今、自分が「どれを飲みたいか」を
考える機会になります。
家庭での親の問い掛けもちょっとした
工夫をしたいもの。
よく子どもに
「今日の学校はどうだった?」
と聞くことがありますが、この質問だと
子どもはとても答えにくい。
「別に」「ふつう」といった言葉が返り、
会話が途切れてしまいます。
子どもが答えやすいところに質問の
ボールを投げてください。
学校から帰ってきたら、
「今日の給食、何を食べた?」
「休み時間は誰と遊んだの?」など、
答えやすい質問にすることで、会話の
キャッチボールが続きます。
できれば質問も、親が聞きたいことではなきく、
子どもが話したいことから聞くのが理想です。
親子間の会話が豊かになることが、
コミュニケーション力の向上につながります。