日常生活の中で、話す相手の口臭が気になった経験、ありませんか?
それが家族以外の人であれば指摘しづらい上、コミュニケーションに
影響が出てしまう可能性も・・・・・。
口臭と関係の深い「唾液」に注目し、カラダの内側からキレイになる
健康&美容法を研究している歯科医師の方が、予防と対策を語っています。
カラダの機能を意識する毎日を
口内の代謝を知り工夫で防ぐ
ニオイの原因
歯科では、大きく病的口臭と生理的口臭に分けます。
病的口臭は、ドライマウスや歯周病、虫歯、副鼻腔炎など、
医師による治療を受ける必要があるもの。
整理的口臭は、誰にでもあるもの。
ニオイの強さは、口内の細菌や汚れ、唾液量、体調などで異なります。
例えば、朝起きた時に臭くない人はいません。
どんな美人でも、起きたては臭いです(笑い)。
患者さんの中で、「私の口が臭くて、駅のホームの向こう側の人が
鼻を押さえた」という人がいたけど、自分で決めつけている。
生理的口臭は皆にあるんだから、必要以上に神経質にならず、
どう回避するか工夫すればいいんです。
生理的口臭の日内変動を知る
コントロール次第で、人に不快感を与えないようにすることは可能です。
そのために知ってほしいのが、口の中のニオイは日中変化していること。
朝、目覚めた時が口臭のピーク。
寝ている間に唾液の分泌が減り、口臭の原因となる細菌が増殖します。
でも起床して舌や体が動き出すと「口の中が乾燥している場合じゃないよ」と
唾液腺から勝手に唾が出てくる。
するとシャワーのように潤って、ニオイが一時的に軽減されます。
ある取材で「朝、キスをしたければ、愛する夫より先に起きて家事を
始めればいいのよ」と話したら「中高年になると部屋も別だし大丈夫です」って(笑い)。
口臭が気になる時は、少し離れて会話するのも回避する知恵です。
声が聞こえればいいんだから。
朝食を取ると「そしゃく」により一気に口臭レベルが下がります。
食事で臭くなると思っている人がいますが、病的なものが無ければ唾液で
口の中が潤うと口臭は激減します。
時間がたつと再び上がりますが、他人が不快と感じるレベルを超えなければ平気。
昼食、夕食と食事を取るたびに激減します。
つまり、口臭予防のポイントは「唾液を味方にする」こと。
唾液は口内の菌のバランスを取って口臭を制御してくれます。
朝食を抜くのはもちろん、唾液を出さない早食いやよく噛まずにお茶などで
流し込む食べ方はNGです。
また口臭は生活習慣でも変わります。
例えばコーヒー。
入れたては弱酸性ですが、飲んだ後、時間がたつと強酸性になります。
併せて口の中が乾燥するとニオイの放物線が上昇。
そこで人と会うとどうしても臭いんです。
でもその時に意識してお水やお茶を飲むなど、口臭レベルを落とせばいいです。
ちなみにタバコを吸う人は、吸わない人の数倍臭いといわれてます。
タバコとコーヒーがダブルになると強烈ですね。
機能は使うほど衰えない
唾液腺マッサージのススメ
唾液が手などについた時、乾くと臭いますよね?
口の中も同じです。
だから、口臭が強くなる時間帯に口の中をウェットにすればいいのですが、
そのためにすぐにアメをなめたり、ガムをかんだり、飲み物に頼り過ぎるのは
感心できません。
人間のカラダの機能は、使わないと年齢にかかわらず肺葉萎縮していきます。
唾液腺については「使えば衰えない」と、学説が塗り替えられました。
そこでおススメなのが「顎なでマッサージ」です。
顎の下をさすったり押したりすると、じわっと唾が出てきませんか?
自分のカラダの機能を「まだまだ大丈夫。唾が出る」と確認しましょう。
毎日続けることがポイントです。
重要なセルフケア
どうしても口臭が気になる場合は、口臭測定器のある歯科に行くと
原因を分析できます。
ただ、測定はその一瞬の口臭を測るだけなので、さまざまな条件に
より結果は左右されます。
何より心掛けてほしいのは、日々の丁寧な歯磨き、セルフケアの
時間を充実させることです。
女性は顔にかける時間の半分くらい歯にかけてほしいですね(笑い)。
食べかすが詰まったままだと菌が増殖し、虫歯や口臭の原因になります。
ブラッシングは「四角い部屋を丸く掃く」ようだと意味がありません。
雑な3回より、丁寧な1回の方が有効。
磨いたら舌で歯を触り、ザラザラしていたらやり直す。
それが丁寧ということ。
糸式ようじやフロス、ウォーターピックなどを使うと、よりキレイになります。
歯石などは定期的に歯科で取ってもらい、普段は自分ができる精一杯の
セルフケアをしましょう。
女性の場合はホルモンの影響をうけるため、生理の時、妊娠中、更年期など
人により口臭がきつくなることがありますが、一番影響を受けるのは、
やはり免疫力。
抵抗力が落ちると、口内の悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れてしまいます。
もしお酒の飲み過ぎなど生活が乱れて歯磨きができずに寝てしまったら、
次の日に丁寧なケアをすれば大丈夫。
2日続けてのいい加減はダメですけどね(笑い)。
顎なでマッサージ
口が乾いたと感じたら・・・・・・