「冷え」は女性の悩みと思われがちですが、
最近は男性にも多く見られるようになってきました。
冷えは“万病のもと”といわれ、様々な不調を引き起こします。
そこで、男性にもおすすめの冷えの対処法や注意点について
紹介したいと思います。
男性の冷え対策
冷えは、手足の末端や腰、背中など、体のどこかが
冷えている状態をいいます。
体温が35℃台であれば、体が冷えているといえますし、
気温や体温に関係なく自分が寒いと感じれば、
その人は「冷え」の状態といえるでしょう。
冷えの症状は女性に多く見られますが、男性も30~50代で
3割以上のひとが「手足が冷えやすい」と感じているそうです。
冷えを放っておくと、いろいろな体のトラブルの原因となるので、
対処が必要になってきます。
一般的に女性は健康について関心が高く、体調の変化に敏感です。
自分自身の体についてよく考え、気に掛ける機会がたくさんあるため、
冷えが深刻になる前に、自らケアしている人が多いようです。
しかし男性は、ちょっとした不調では対策をとらず、手遅れ(病気)に
なってしまう傾向があります。
体が硬い・痛い・動かないは危険信号
隠れて気付きにくいことも
忙しい毎日を送り、体のことまで気に掛ける余裕がなく、
自分は大丈夫と思って冷えを自覚できていない「隠れた冷え」の
人がたくさんいるようで、体が危険信号を発信していても、
そのサインに気付かず、どんどん体を冷やしてしまっている状態です。
隠れた冷えが疑われる症状として、無意識に冷たいものを避け、
温かい物を選ぶようになっていたり、体をさすっていたりすることです。
それに加えて、体が「硬い」「痛い」「動かない」といった症状があれば、
冷えが隠れている可能性が高まります。
特に男性は「忙しいから」「大したことはないから」と放置せず、
ぜひ自分の体に十分な注意を払ってください。
血行不良が不調を誘発
“冷えは万病のもと”といわれるのは、血行不良と深く関係しています。
血液は全身を巡り、細胞に酸素や栄養分を送っています。
しかし冷えによって血流が悪くなれば、栄養分が十分行き渡らなくなり、
さらに冷えた血液がドロドロになって免疫力も低下してしまいます。
そのために、病気にかかりやすくなったり、冷えが原因となり得る、
肩こり、お腹の不調(便秘・下痢)、頭痛が挙げられます。
肩こりは血流が悪いために筋肉がこわばり、硬くなってしまう
などが原因です。
また、腸が冷えて働きが鈍くなることで、お腹の不調が引き起こされます。
緊張型の頭痛も血流が悪くなることが原因の一つです。
このような不調は、温めるだけで症状が改善されることもあります。
逆に温めても回復しない場合は、別の要因であると考えられますので
医師に相談した方がよいかもしれません。
メタボリック症候群や痔、アレルギー性疾患なども、血流の悪化が
原因の一つといえます。
こんな人は注意が必要!
・食事の際、よく冷たい飲み物を飲む
・睡眠時間が6時間以下
・生活が不規則で、夜も寝るのが遅い
・仕事で緊張を強いられることが多い
・趣味らしい趣味がない
・運動の習慣がない
・スーツやズボンの下は下着一枚のみである
・お風呂をシャワーで済ませている
・冷暖房に頼った生活をしている
心にも関係が
人間には、体内環境を整える自律神経があります。
例えば、寒い時は熱をつくって体を温め、暑い時には
汗を出して体を冷やすなど、体温コントロールも
自律神経の働きです。
極度の緊張が続いたり、大きな不安を感じるなどすると
自律神経が乱れます。
そうした状態が長ければ長いほど、血管が収縮して血流が
悪くなり、体が冷えてしまいます。
ストレスによって心が冷えると体まで冷えてしまうのです。
改善のポイント
対処法の基本は「体を冷やさない」「冷えた所を温める」こと。
体の内外を冷やさないこと。
寒い環境や気温から体を守る工夫をすることや、冷たいものばかりを
食べたり飲んだりしないこと。
入浴などで体全体や冷えている部分を温めること。
生活習慣を見直すこと。
次の4点を意識してみて下さい。
* 筋肉のつく運動
体をつくる上で、筋肉は大切な役割を果たしています。
男性の方が女性よりも筋肉が多く、冷えにくいため、
冷えに鈍感になりがちですが、年を重ねるほど筋肉は
衰えていきます。
成人男性は筋肉をつける心掛けを、高齢者は筋肉を
落とさない工夫をしましょう。
定期的に筋肉トレーニングができればいいのですが、
難しい場合は、例えば一駅分を歩いて帰るとか、
エスカレーターやエレベーターを使わないなど、生活の
中に運動を取り入れてみてください。
* 正しい食生活
食事は偏食を避け、いろいろな種類の食材をバランス良く食べる。
極端な食事量の変化も避けたいところ。
極度の大食いや食事制限は体にストレスを与えます。
さらには、食べ物と体の温度の差が大きいと体に負担がかかり、
熱すぎたり、冷たすぎるのは避け、口に入れる物はなるべく常温に。
最適なのは体温と同じくらいの温度がいいでしょう。
また、よく噛んで食べることで体温が上昇します。
* ストレスをためない
強いストレスを受けると、自律神経が乱れて血管が収縮します。
この状態が続くと血流が悪くなり、体が冷えていきますので、
ストレス解消を心掛けましょう。
例えば、寝る前にリラックスする時間をつくったり、自分なりの
気分転換をしたりして気持ちいいと思うことを行うと、
「心の冷え」の予防になります。
* 薄着をしない
オシャレで薄着をする人がいますが、これは体に大敵。
体を冷やす原因となります。
スーツの場合は、スラックスの下に薄くて温かいインナーを
はいたり、靴下はハイソックスにするなど、体を冷やさないように
工夫するとよいでしょう。
お腹も冷えると、便秘や下痢を引き起こすので、腹巻もオススメ。
効果的に温める場所
体を外側から温める上で効果的な部分があります。
1.手首・足首を温めること。
いずれも体の表面近くを太い血管が通っており、ここを温めることで
全身に流れる血液を温めることができます。
それにより、指先など、冷えやすい箇所も温かい血液が通り、
温まっていきます。
2.血流が多い場所、つまり大きな筋肉を温めることです。
具体的には太ももや二の腕、お尻になります。
3.お尻の少し上の部分にある仙骨周辺の腰回りと、腸がある
おなか周辺を温めることです。
腰の部分には、血管をゆるめる副交感神経の中枢があるため、
体を温める効果を高めてくれます。
まとめ
体温をチェック
朝、目覚めた時に冷えをチェックできます。
布団の中では、全身が温まっている状態です。
そこで、おなかや二の腕に触れてみて、熱が逃げにくい
脇の下と比べてみましょう。
脇の下よりも冷たければ、冷えている状態です。
また、食事の前後で体温を測り、体温が変わらない、
もしくは下がるようなら、体を温めて代謝を良くする
必要があります。
いろいろ工夫して体を冷やさないようにしましょう。