日本の国民食と言われるカレー。
家庭でおなじみのものをはじめ、インドカレーやタイカレー、欧風カレーなど
多種多様です。
カレーの魅力と家庭のカレーをワンランクアップさせる隠し味。
開港と同時に日本へ
インド料理のカレーが、イギリスを経由して日本にやってきたのは江戸時代後期、
開港とともに伝わったといわれています。
肉と野菜をバランスよく食べることができ、大勢の人数分を作るのに最適。
盛り付ける皿も1人1枚で済むため、軍隊のメニューや学校の給食として
重宝されなした。
玉ねぎ、にんじん、ジャガイモを入れたり、福神漬けを添えたりするのは、
日本独自のもの。
カレーうどんやカレーパンといったメニューも生まれ、一般家庭にも
広がっていきました。
栄養満点で健康増進
そもそもカレーは、複数のスパイスを組み合わせた料理のことをいいます。
スパイスは、漢方薬の原料となっているもので、それぞれに異なった
効能があります。
代表的なものでいうと、シナモンは漢方薬では桂皮と呼ばれ、
消化を促進する胃薬として使われます。
他にも、カレーの色付けするターメリック(=ウコン)には、
殺菌浄化作用と美肌効果が。
クローブ(=丁子)は嘔吐、胃痛、腹痛の薬で、ナツメグは下痢に効果あり。
スパイスを知り尽くしているインドの人たちは、
「胃の調子が悪いからシナモンを多めに」と
いった具合に、体調によってスパイスの種類や分量を調整しているのです。
カレーは、栄養満点で健康を増進させ、病気予防になる食べ物といえるでしょう。
ルーは火を止めてから
市販のルーを使いつつ、美味しいカレーを作るコツ。
クミンを油で熱してから肉や野菜を炒めると、エスニックな香りが立ち、
本格感が増します。
ブラックペッパーを入れて煮込むと、ピリッとした深みのある味付けになります。
ルーを使う時は、入れるタイミングを気を付けてください。
グツグツと煮立ったところに入れるのではなく、一旦火を止めて、
煮汁の温度が80度に下がったときに入れます。
ルーが均一に溶け出し、なめらかになります。
4人前だと5分程度待てば80度に。
ぬらしたふきんを鍋の下に敷けば時間を短縮できます。
付け合わせ盛り付けも工夫
カレーには福神漬けからっきょうというイメージが強いと思いますが、
酢の物を一緒に食べることをお勧めします。
カレーの油っぽさが緩和され、後味がすっきりします。
盛り付けにも一工夫を。
ご飯を真ん中に盛って、周りにカレーを流し込んだり、
卵や肉などをのせてもよいでしょう。
ごはんをターメリックと一緒に炊いて色付けすると、
いつもと違う雰囲気が味わえます。
おススメの隠し味
家庭のカレーをワンランクアップさせる隠し味
隠し味を入れる前に、味見をして加えたい味を決めます。
まず小さじ一杯分を加え、弱火で混ぜ味見をして、足りなければもう一杯。
少しずつ調整しましょう。
≪ 甘味 ≫
【 果物、ジャム、チャツネ 】
子どもも大人も大好きな甘いカレー。
果物をすりつぶしてペースト状にします。
バナナ、リンゴ、マンゴー、がお勧めです。
チャツネはフルーツや野菜にスパイス、糖質、ビネガーを配合した
インド発祥の薬味。
≪ 辛味 ≫
【 唐辛子、ブラックペッパー、豆板醬 】
唐辛子は、ストレートに辛さをつけたい時に最適。
ブラックペッパーは独特の芳香と刺激的な辛さ。
豆板?は、ペースト状のソラマメが入っていて、コクがあり、溶けやすい。
≪ 苦味 ≫
【 ビターチョコレート、インスタントコーヒー、すりおろしたゴーヤー 】
大人っぽい、深い味わいに仕上がります。
非常に苦くなるので、入れ過ぎに注意してください。
≪ 酸味 ≫
【レモン汁、お酢、ヨーグルト、トマトまたはホールトマト 】
後味をすっきりマイルドにさせます。
トマトはつぶしてから、プレーンヨーグルトはしっかり混ぜてから加える。
≪ 風味 ≫
【 麺つゆ、焼肉のたれ 】
麺つゆは、しょうゆと砂糖、かつお節や昆布などが入っているため、
コクとうま味が増します。
果物やニンニクから作られる焼肉のタレにも甘味と風味が凝縮されています。
≪ コク ≫
【 オイスターソース、無糖チョコレート、無糖ココア、
赤ワイン、バター、おろしニンニク、おろしショウガ 】
カレーのおいしさを決める一つがコクの深さ。
ココアがお湯で溶かしてから入れます。
≪ 香り ≫
【 カレー粉、ガラムマサラ 】
食欲をそそるカレーの香りをもう少し増したい時に入れます。
ガラムマサラはインドを代表するミックススパイス。
カレー粉を作ってみよう!
スーパーなどで手に入れやすいスパイスを使ったカレー粉の作り方。
1ヵ月ほど熟成させると香りがよりなじみます。
保存する時は、暗く涼しい場所が好ましいです。
〈 材料 4人分 〉
ターメリック・・・大さじ3
コリアンダー・・・大さじ4と1/2
クミン・・・・・・大さじ3
カエンペッパー・・小さじ1
カルダモン・・・・小さじ1/2
ガラムマサラ・・・大さじ1
1.ターメリック以外のスパイスを合わせ、
茶こしなどでふるいにかける。
2.油気のないフライパンを弱火で熱し、ターメリックをいれる。
焦がさないように注意しながら、オレンジ色っぽく色が
変わるまで念入りに乾煎りする。
3.フライパンを火からおろし、1を加える。
余熱で馴染ませながら混ぜ合わせ、冷ます。
4.完全に冷めたら、密閉できる容器に移す。
5.熟成させる。
まとめ
カレー粉の作り方は一例なので他にも工夫して
自身にあった美味しいカレーを作って楽しんでください。